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ソリューションビジネスとは?(ソリューションビジネスを考える①)

メルセネール・大道寺です。
現在、他のテーマでも継続的に投稿をしているのですが、並行して「ソリューションビジネス」という視点でも書いていこうと思いました。

ここ数年、コンサルタントとして、ビジネスメンターとして、研修講師として様々なところで『ソリューションビジネス』というテーマを扱うことが多くなりました。一方で基本的な理解や、分析・検討のキモ、有効なビジネスモデルを構築するための知識が知られていないとも感じています。『ソリューションビジネス』や『ソリューション』というテーマでお悩みの方の一助となれば幸いです。


ソリューションとは?

ソリューションの定義

まずは『ソリューション』というワードの定義です。定義に関して絶対的な正解や共通的な認識はありませんが、まずはここを自分なり・組織なりに定めないと始まりませんよね。

では、改めて『ソリューションとは?』と聞かれたら何と回答しますか?

よく頂く回答は、

『ソリューション』=『顧客の”課題”を”解決”すること』

です。これまでの体感ですが90%以上でこの回答が出ます。私もそう考えていまして、シンプルかつ本質的な定義なのかなと思います。

そうなると、

『ソリューションビジネス』=『顧客の”課題”を”解決”するビジネス』

となりますね。

時折、この回答に対して追加の意見、もしくは質問を頂くことがあります。
「これは自分が認識しているソリューションではない。」
「ソリューションはITやIoTを用いるものではないのか?」

というご意見です。この意見・疑問はそれなりにありまして、そう感じられるの方も多いかなと思います。

「ソリューション」=IT・IoT活用か?

確かにソリューションというワードはITやデジタル機器の雰囲気を醸し出しています。そもそも『ソリューション』という言葉が使われ始めたのはここ数年の話ではないんですね。

1990年代くらいからソリューションというワードは用いられるようになってきています。個人向けPCやコピー機を始め、それらをネットワークで繋ぎ、業務システムを開発したりしながら、ビジネスを一気通貫でより効率的にしていこうというトレンドが進み、このトレンドを主に推し進めたのがIT系の企業でした。その際に単なる機器のモノ売りではなく、様々なモノをまとめて提供するにあたり、「ソリューション」、「ビジネスソリューション」というワード・概念を用いるようになりました。

この影響もあり、『ソリューション』という言葉はIT活用が前提となっているイメージを持たれる方がいらっしゃいます。

そしてもう1つの要因が、『ソリューションビジネス』=『顧客の”課題”を”解決”するビジネス』という基本的な定義です。これは「顧客の課題」が基点で、それに対して解決策を提供して成立するということを意味しますが、この「顧客の課題」をいかに捉えるか・捉え続けるか、ということが最大の論点になります。

昨今のDX・デジタル技術の進展により、顧客の情報・データを得ることで顧客を理解することが可能になってきました。そのデータを収集し解析するというプロセスにおいてIT・IoTの活用は前提になりつつあります。経営陣が「ソリューションビジネス」を実現・成功を目指すと号令を出す際に、いつのまにかIT・IoTの活用が前提になっていることがあり、それに伴い暗黙の理解となっていることが多いんですね。

改めて私なりの定義ですが、

  • 『ソリューションビジネス』=『顧客の”課題”を”解決”するビジネス』というのが骨格

  • DXによる環境変化、顧客の理解が大前提となるビジネスであるため、IT/IoTを活用した方がより最適解に繋がる可能性が高い

ということかなと思います。

ソリューションビジネスの”領域”

組織全体で見ている”対象領域”は同じか?

多くのクライアント先でコンサルティング・メンタリング・研修プログラムを行っている際に、「ソリューションビジネスの対象領域はどこですか?」という確認を行うようにしています。

実はここの認識が組織として整合が取れておらず、皆さん個々人が、何となくで整理されていることが非常に多いです。

ソリューションビジネスで目指す領域は明確か?

「御社で考えられているソリューションビジネスの対象領域はどこでしょうか?」
「新規顧客・市場は想定していないですね。それは新規事業ですから・・・。」
「新規事業とこれから創出するソリューションビジネスの違いは何でしょうか?それは共通的に同じ認識を持たれているのでしょうか?」
「共通認識までは持ててないかもしれないですね。。。」

という対話はけっこう多いです。
これも組織として定義を決めてしまえばよいのですが、定義が抜けている・感覚的である・暗黙的に決まっている・・・という傾向があります。

今後お伝えしていこうと思っていることなのですが、ソリューションビジネスは顧客といかに長期間付き合えるかという点が大事になります。そのため組織的に共通認識を持てていないと、引き継ぎやあるべきソリューションの進化に組織側が対応できなくなります。昔からのメンバーは共通的に分かっているが若手や外部から入ってきた人には伝わっていない・・・という感じですね。

顧客/業界担当事業部制に多い「ソリューションビジネス」

私の経験ですが、事業部制が敷かれていて、かつ対象となる顧客・業界が定まっている場合に、「ソリューションビジネス」という概念が出やすいかなと思います。

メーカー/ITの多いケース
  • 既存の顧客/市場を対象にすることが事業部のミッション

  • その中で顕在/潜在課題を捉える

  • その課題を解決することが求められている

という状況ですね。こういったケースでは”新規事業開発部門”は別に存在しており、現在は全社レベルで対応していない新規顧客・市場は新規事業開発部門の管轄範囲となっていたりします。

なので、事業部の方々からすると、”新規事業”と”新しいソリューションビジネス”が区切られていたりするのかと思います。

改めてですが、この定義を明確にしておくことは非常に重要です。
なぜなら今後の顧客課題の探索方法や分析の順番に違いが発生するからです。新規市場を対象にする際と既存顧客を対象にする際では最初の分析視点・検討項目が全く違います。

組織としてより良く効率的な検討を進めるためには、明確に分けておきましょう。
「混ぜるな・危険」です。


今後書いていこうと思っているコト

今回は『ソリューションビジネス』の定義と、『ソリューションビジネス』の対象領域に関してまとめてみました。個人的な経験ですが、製造業もしくはIT企業で特にテーマになっていることと認識しており、私自身もこの2つの業界向けに考えさせて頂くことが多いです。

今後は製造業やIT系が多少前提になっている話になりますが、ソリューションビジネスを考えるための分析視点や調査方法、参考になる事例をまとめられたらいいかなと思っています。(頭の中にはあるのですが、テキストにまとめていくのは改めて大変だなと思いました。。。)

引き続き、よろしくお願いします!


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