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驚くほど多い成果が出ないインタビュー形態 ~新規事業伴走メンタリング⑨~

メルセネール・大道寺です。
今回は新規事業開発における、「インタビュー」がテーマです。その中でもインタビュー実施形態や参加者のあり方に関して扱います。

ケース IT系の顧客候補向けインタビュー

ある大手IT系の事業者さんでのケースです。新規サービスを検討しており、その前段として顧客のビジネスや業務理解を深めることと、Pain・Gainを探索すべく、複数のターゲットへインタビューを実施しようとしていました。

私はインタビューだけでなく、デスクリサーチやビジネスモデルの検討も含めメンタリング形式で伴走をさせて頂いてました。

検討チームの皆さんはビジネスインタビューに関して未経験なので私もガッツリ同席サポートすることに。

取りあえず全4回のインタビューを行うことになり、初回は私がメインで実施、その後は検討チームの皆さんがそれぞれメインを担いつつ、私も全て同席しました。

  • 1回目
    :私がメインで実施、皆さんも進め方のイメージがわいたよう

  • 2回目
    :インタビュー相手も話し上手で、全体的にうまく回して情報収集ができた

  • 3回目
    :皆さんインタビューに慣れてきた感じで、今回も目的を達成

ここで、3回目を終えて進捗状況を事業部の幹部層に報告することに。


検討チーム:
「インタビューを通じてこのような結果を得られています」

幹部:
「・・・。これは非常に意義のある内容だ。次回は自分たちも参加したい。スケジュールを調整して欲しい。」

私:
「大人数での参加はあまり適していませんので、後日議事録でのご確認、もしくは相手から許可頂けるようでしたら動画を見て頂くのはいかがでしょうか?」

幹部:
「いや、こういう取り組みは率先して参加したい。邪魔しないので調整して欲しい!」


そして来る4回目。。。

インタビュイー1名に対し、インタビュー側は合計7名。
実施はオンライン。
幹部3名はカメラoffで一切発言されず。

検討チームの皆さんも幹部の方々の前ということで緊張されていたのか、これまでよりぎこちない。。。

インタビュー相手もそれなりに誠実に回答しようとしているが、これまたぎこちない。。。

結果、これまでの全4回の中で一番成果が得られないインタビューとなり終了。。。


インタビューを受ける側に話しやすい環境を準備する

インタビュイーから成果を引き出す姿勢

昨今、有料でのインタビューマッチングサービスが広がっており、お金を支払うことで容易にインタビューができるようになってきました。

それは非常に良いことだと思うのですが、ユーザー側がサービスに追いついていない、すなわちユーザーが最大限の成果を引き出せる状態になっていない印象を受けています。

インタビュースキル(=準備の仕方や臨機応変な掘り下げ方など)が追いついていないということもあるのですが、時間がかかるので、段階的に身に付けていけばよいと思います。

私が課題感を持っているのは、インタビュイーから最大限引き出そうとする環境にしようとする姿勢・意識が弱いことです。

これは相手の立場になって考えてみれば、すぐに対応・修正可能です。


オンラインでありがちな一望監視状態

クライアントのインタビューに同席すると、インタビューを行う側でご自身の画像をoffにする人がよくいらっしゃいますが、絶対にやめた方がいいです。

自分の姿は映さない、相手は映している、そんな関係において胸襟を開いてもらうインタビューができるでしょうか?

受ける側は一方的に見られているわけで、たとえ対価を得る立場だとしても気分が良いものでは無いでしょう。

「自分はメインで質問するわけでは無いので画像はoffでもよい」というのは、自分都合であって、相手の視点には立っていないと思います。

たまにインタビュー実施後に、「画像offとonで聞かれた際にどちらが話しやすいですか?」と聞いてみますが、皆さん圧倒的に”on”の状態と仰います

上記のケースのように、お偉い方が同席され、一言も発しない予定であったとしても、基本的には画像をOnにするようお伝え頂くとよいと思います。

多数でぞろぞろ取り囲むことも避ける

特に大手企業でプロジェクト型で検討されている際に多いのですが、関係者がぞろぞろと参加するケースもおススメできません

インタビュイーからすれば自分1人に対し、その10倍近くの初対面の方が画面の先にいるだけで非常に緊張します。

インタビュー受け慣れしている方はよいかもしれませんが、ほとんどは普通の方でかつ皆さん真面目です。

インタビューを受ける多くの方は、

  • どんなことを質問されるのだろうか?

  • どんな回答を期待されているのだろうか?

  • 自分で本当に適任なのか?

という心理状態です。

そんな中で多くの方に囲まれ、「どこからどんな球が飛んでくるのか・・・」という不安を感じた状態から始まると、本来話せたものも話せずに終わってしまうことがあります。

私の感覚値ですが、多くても3~4人程度かなと思います。

相手にとって話しやすいか?が最優先

リアル空間でのインタビューを行う際に最適な場所はどこだと思いますか?

それは相手のテリトリーです。

例えば役員の方であればその方の役員室であったりするのですが、相手が一番リラックスし、落ち着いて話すことができる場が一番良いと言われています。

インタビューサービスを通じてお金を払っているから、相手も積極的に話してくれるだろうという考え方は誤りで、サービスを活用したとしても、その上で最大の成果を引き出すための対応・準備を徹底すべきです。

伴走型のメンタリングを行っていると、大手企業の方ほど、自社の参加者を集めたり、幹部の方々を参加させたりしますが、ポジティブな効果は少ないと思います。

インタビューは1回あたりの質を高めることと、回数をこなすことの両輪です。

インタビュー実施の最適な環境構築もスキルの1つとして捉え、うまくいかないと感じていらっしゃる方はここから変えていくのも1つの手だと思います。


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