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漫画レビュー21 追放の賢者、世界を知る ~幼馴染勇者の圧力から逃げて自由になった俺~

幼馴染の女勇者がひどすぎるので離れることにした。

こんにちはメルカです。

今回の漫画レビューはこちら
「追放の賢者、世界を知る」です。


原作:深山玲 漫画:杉乃紘 キャラクター原案:藻


転生ではない普通のファンタジー。

          ◆ ◆ ◆ ◆ ◆


…最近、役立たずがパーティから追い出される話が流行しています。

最初はみんな同じレベルからスタートしたのに途中からメンバーの強さに付いていけなくなってある日リーダーから追放されるタイプ。

メンバーやリーダーに行動を制限されて本来の実力を発揮できないタイプ。

本当は役に立っていた補助系の恩恵をメンバーが理解できず役に立っていなかったと見なされ追い出されるタイプ。

自分より強いと感じたリーダーがイジメてあることないこと吹聴して追い出すタイプ。

初めから荷物持ち以外の使い道を考えずに時間が経ったり囮に使ったりして見捨てるタイプなどなど枚挙に暇(いとま)がありません。

こんな感じで色んな理由でパーティから強制的に追い出されたり自分から抜けたりするところからの逆転劇が鉄板の展開ですね。


その中でも今回のパーティからの離脱は本人からの申し出パターンでした。

          ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

主人公ハルは魔法使い。
ハルには幼馴染の女の子がいました。

彼女(レティシア)は勇者という世界に7人しかいない称号を与えられた特別な存在でした。

5年間同じパーティで過ごしてきたけれど、勇者になってからのレティシアはなぜか自分にだけ怒りっぽく、蔑み、辛く当たるようになっていきました。

ある日レティシアはハルに説教をします。

レティシア「あんたって本当に使えものになんないわよね。」

追放の賢者、世界を知る ~幼馴染勇者の圧力から逃げて自由になった俺~ (2)

ハルは冷めた目でレティシアを見ながら決意しました。

これまで彼女に付いていっていたのは昔はこうじゃなくて純粋に自分を心配してくれたり守ってくれていた優しい思い出があったからでした。

ですが現在のあまりの待遇に嫌気がさしたのです。

ハル「じゃあ追放ってことでさよなら。」
レティシア「え?ちょ?待ちなさいよハル!!」

レティシアは使い物にならないと説教しているのに離れていくハルに動揺していますが、ハルは構わずその場を離れていきました。

依頼の途中で抜け出したハルはそのまま冒険者ギルドへ行きました。

受付嬢に勇者のパーティを抜けたことを伝え手続きを終えます。
急に抜けたのであまりお金がありません。
そして一人で依頼を受けようとしますが、一人向けの依頼はなく、パーティ向けの依頼しかありませんでした。

タイミングよくアリスという女性に声を掛けられます。
彼女も一人で依頼を受けられないので一緒にパーティを組まないかと誘われます。

ですが、勇者レティシアに雑用係を押し付けられ、弱いと断定されていたハルは迷惑を掛けるからと遠慮します。

勇者パーティに付いて行けるんだから最低限の強さはあると思ったアリスですが、ギルドが発行している冒険者カードを見せられて考えこみます。

追放の賢者、世界を知る ~幼馴染勇者の圧力から逃げて自由になった俺~ (3)

ですが、アリス(ちなみにアリスはレベル22)は先ほどのハルの言動からあまりお金持っていないことを知っていたこともあり、とりあえず依頼を受けようと笑顔で促し冒険に出ることになりました。

狼のモンスター「ハウンドウルフ」を倒す二人。
レベル7のハルも剣でアリスをフォローして問題なく立ち回ります。

全然弱くないじゃんと笑うアリスの目の前に先ほどの「ハウンドウルフ」の親「キングウルフ」(レベル30)が現れます。

二人のレベルを足しても足りない強さの強敵。
アリスは自分が囮になるからハルは逃げてと促します。

きょとんとするハル。

追放の賢者、世界を知る ~幼馴染勇者の圧力から逃げて自由になった俺~ (4)

ただのハウンドウルフの親だというハルに今度はアリスも怪訝な表情。

ハルは魔法使いらしく攻撃魔法を使います。

追放の賢者、世界を知る ~幼馴染勇者の圧力から逃げて自由になった俺~ (5)

ちなみにこの世界のファイアは両手に収まるくらいの大きさが一般的です。
「ダイの大冒険」の大魔王バーンのあれです。

追放の賢者、世界を知る ~幼馴染勇者の圧力から逃げて自由になった俺~ (6)

この世界での上級魔法には「エクスプロージョン」というのがあるらしいのですが、まだ作中では言葉しか出てきていませんね。

そう勘違いするほどの威力があったようです。

なぜハルは自分の魔法の威力に気づかなかったのか。
…レティシアです。

この女勇者はハルに常識という経験を全く積ませないばかりか強い口調で情報制限も行っていました。

ハルは先ほど倒したキングウルフのレベルが5だと勘違いしていました。
レティシアがそう教えていたからです。

アリスはハルは大人としての常識が欠落していることを理解します。

ハルは先ほどの戦闘でケガを負ったアリスに回復魔法「ヒール」をかけました。

アリスは更にこんがらがります。
「なんで魔法使いが使えないはずのヒールを使えるの!?」

そこでようやく事前情報のレベル7と現状が一致していないあべこべさの原因に気が付きます。

冒険者カードの方がおかしいのではないか。
カードは更新をしないと最新情報になりません。
最後に更新をしたのはいつかと聞かれます。

5年前の最初に登録した時が最後と答えるハル。
原因はカードの更新料が勿体ないからと言ったレティシアです。

そして戻って来たカードには「賢者」「レベル82」との記載がありました。
ちなみに勇者レティシアは「レベル55」です。

いつの間にか魔法使いではなく賢者になっていたことに驚きを隠せないハル。

レティシアはなんの恨みがあって幼馴染のハルに情報規制をかけてここまでこき下ろしていたんでしょうね。

ただの性格なのか、それか何か事情があって隠す必要があった可能性も高そうですが、謎を残したままその後もレティシアはハルに関わってきます。

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いかがでしたでしょうか。

ここから自分の能力を自覚していくハル。
レティシアから離れたその日にアリスに会えたのは不幸中の幸いでした。

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ハルは初めて自分を客観的に見ることができ真実を知ることができました。

止まっていた彼の心はここから成長していくことになります。

          ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

この漫画は2021年11月現在コミックスは1冊のみ刊行されています。

マガポケで1話を読むことができます。

講談社コミックプラスでも同様に1話を読めます。

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面白そうな漫画を発掘したい方はぜひ下記マガジンを眺めてみてくださいな。

では今回はこんなところでノシ

メルカ

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