漫画レビュー13 転生領主の優良開拓~前世の記憶を生かしてホワイトに努めたら、有能な人材が集まりすぎました~
ブラック企業で過労死して転生したのでホワイトな職場を作ることにしました。
こんにちはメルカです。
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「転生領主の優良開拓~前世の記憶を生かしてホワイトに努めたら、有能な人材が集まりすぎました~」です。
原作:空野 進 作画:rikko 構成:モリガコウセイ キャラクター原案:葉山えいし
はい。いつもの転生ものです。
以前にレビューした「モンスターがあふれる世界になったので、好きに生きたいと思います」や「神達に拾われた男」の主人公もそうでしたが、異世界転生あるあるです。
そう。ブラック企業で過労死して転生パターン。これ。
転生した主人公は小さな町の優しい領主夫婦の息子として生まれました。
生まれた時は転生者だと忘れていて普通に育っていきます。
ですが幼い頃ふとしたタイミングで「ハッ!」と自分が転生者であったことを思い出します。
気にせずしばらくは幸せに暮らしていましたが、ある日、町は魔物の大群に襲われてしまいます。
その町は辺境にありどこかに助けを求めることも出来なかったようです。
両親は領民を逃がしつつ魔物と戦いますが帰らぬ人となり、領民は町の外に逃げられたのか殺されてしまったのか行方不明となりそのまま帰ってきませんでした。
過酷な状況………なのにサラっと語られて淡々と話が進むんですよね。
転生した領主の息子である主人公はどうなったのかというと・・・自己判断で家に残っていました。
そして100人ほどが暮らしていた町に1人ぽつんと主人公だけが残されました。
・・・魔物の襲撃はどうなったのかが語られておらずよく分かりません。
両親と相打ちになったのかどこかへ行ったのかどうなんでしょう・・・。
それと魔物の大群に襲われたのに町はほぼ原形を留めています。
・・・?
ここまでの展開がたったの4ページにまとめられていました。
まとめられすぎて一瞬このまま終わってしまうのではないのかと思いましたが、ここから話が始まります。
領民と一緒に街の外へ逃げてもじり貧だと感じた主人公は町に残り、親に替わり領主をすることにしました。でも領民は一人もいない。
ということで大きな町である王都に求人を出すことにしました。
町と王都の必要物資などを運搬していた商人に頼み王都に求人票を張り付けます。
その内容は
領民募集
・アーレンツ領勤務(辺境の町の名前です)
・週休二日
・労働時間 8時~17時(うち昼休み1時間)
・残業なし
・月給 銀貨30枚(別途収入がある場合は歩合として要相談)
・福利厚生完備 ボーナス年2回 昇給年1回 各種危険手当あり
・その他の細かい規約などは一切なし
というものでした。
社会に出たことのある方で求人票を多数見たことのある人なら分かるかと思いますが、ホワイトです。ホワイト企業です!
前提として主人公はブラック企業に勤めながらも優しい心は失わず、精神的にスレていませんでした。
自分がブラック企業で苦労しましたが、人にそれを押し付けようとは微塵も考えていないようです。
ですので、自分が雇う側になってまず考えたのがホワイトな仕事場を作ることだったのです。
もちろん危険手当なと不穏な言葉もあります。
辺境の町で近場の森には魔物が出ますのである程度世界観として仕方ない部分もあります。
ですが傭兵という職業もありますし何とかなります。
この世界の労働環境を簡単に言いますと、まず週2日休めることはあり得ないとの事です。
人は毎日働くのが当たり前で、週2どころか週1で休む習慣もないような感じです。
更に給金は歩合や能力による増減の要素が強く、安定した月給などは珍しいようです。また規約についても緩すぎますね。
いくら何でも罰則やら最低限のルールやらがなさすぎる気がします。
逆に少し、いや大分不安になってしまうほどです。
王都の住民からしてみると好条件だけども詐欺にしか見えず、裏がある怪しい求人にしか見えなかったみたいです。
そんな求人票ではありますが、それでも今の生活に不満や不安がある人にとっては魅力的に映ったようです。
そして一人目の領民候補がやってきます。
なんと王都ギルドでのSランク冒険者の女戦士でした。
つまり超強い。
なぜわざわざ地位も名誉も王都ギルドでのお金の払いも良い仕事からこちらに移ってきたいのかを聞くと、求人条件の規約に縛られないという部分に惹かれたとのこと。
確かにSランク冒険者ともなるとあれこれ頼まれたり威厳を保つように言われたり固そうですよね。
堅苦しいことが嫌いでもっと気楽に生きたい彼女にはそれが辛かったようです。
やり取りを繰り返す内に少しは怪しいと感じていた求人が本物だったと感じた彼女はこの町に住むことにしました。
それから聖女・商人・農民・鍛冶屋・賢者・魔王・勇者など多種多様な人材がこの町に集まってくることになります。
ん?ラインナップがおかしい?いえ全然おかしくないですよ。
みんな良い人たちです。
主人公は素直で人柄も良く、足りない所も多々ありますが、人の意見をよく聞き柔軟に対応します。
また領民を守ることに躊躇(ちゅうちょ)や躊躇い(ためらい)がありません。
そんな主人公だからこそ周囲もそれに答えて助けてあげたくなるようですね。
登場人物の大半が善良な常識人なのでストレスなく読むことができます。
逆に主人公とか周りが性根の腐ったダークな性格でドロドロとした殺陣を繰り広げる展開が好きな人なんかには向いていません。
ちょっと足りない主人公を周りが補っていく、少なくとも2巻まではそんな気持ちの良いストーリーが繰り広げられます。
ガンガンオンラインにて1話を読むことができます。
自分はマンガUP!にて無料で読み進めています。
コミックスは2021年11月現在、3冊刊行されています。
まだ3冊ですがここまででも十分面白かったのでレビューすることにしました。
今後このメンツでどういう話の展開となっていくのか楽しみな方はスキをお願いします!
では今回はこんなところでノシ メルカ