
後半で挽回したぜ
ちょっと小説風〜〜〜日記‼️
起きたのは10時半。朝8時起床を目標にしていたはずだが、昨夜は止まらぬ読書の誘惑に抗えず、眠りについたのは深夜2時頃だった。読んでいたのは『まほろ駅前番外地』。友人から借りたドラマ全話もあったが、どうも映像は心に届かない時期のようだ。たまたま古本販売サイトで見つけた文庫本に手を伸ばし、夢中になっていたのだ。
終盤に差し掛かり、ふと気づく。これがシリーズの第2作目だと。だからこそ、置いてけぼりの感覚があったのだろう。しかし、夜更かししてでも読み進めるほど面白かった。登場人物たちはどこか優しく、心の奥底で求めていた温もりある世界観を味わえた。最近は芥川賞作ばかりに触れ、世界を斜めにしか見られなくなっている自分がいると、どこか憂鬱な気分にもなっていたのだ。
去年から週三回、朝食後のジム通いを続けている。しかし今朝はリズムを崩してしまった。朝食か昼食か分からぬまま食べ、すぐにジムへ向かえば、トレーニングは15時過ぎに終わる。お腹が空くのは16時頃、そして体内のリズムはぐちゃぐちゃを加速させるだろう。それでも、ジムへと足を運んだ。
予想通り、ジムを出たのは15時頃。帰路につくと、どうしても『まほろ駅前多田便利軒』、シリーズ第1作目を読みたくなった。これがないと一日が完成しない感がある。空腹で苦しむ体に申し訳なさを感じながら、駅前のBOOK OFFに立ち寄る。本棚をのんびりと眺め、非効率ながらも『三浦しをん』という文字を探す。そして、見つけた――『まほろ駅前多田便利軒』が100円であった。まさにラッキーな出会い。ついでに人気作品の棚にも目をやると、『そして、バトンは渡された』が220円で売られていたので、即決で手に取った。スマホのアプリに登録済みの読みたい本リストのおかげで、発見と決断ともに効率的だ。
レジには店員が見当たらず、しばらくためらったが、やむなく卓上ベルを鳴らすと、すぐに一人の店員が現れた。手際よくレジを操作する彼は、ふと『そして、バトンは渡された』の裏面をちらりと見た途端、空耳かと思うほどの小さな声で呟いた。
「…あ、これ100円ですね」
帰り道、『まほろ駅前多田便利軒』のページをめくる瞬間が待ち遠しくなっていた。