【老前コラム】お酒と痛風とお絵かき
僕は痛風を発病したことがある。WORLD HAPPINESS 2016という野外フェスを満喫し、その次の日に左足の踵に痛みが走りやがてそれは親指の秋まで足全体に広がった。
正直何が起きたかさっぱりわからなかった。49歳の身体に起きたその異常は、一週間ほどで収まったが一時は歩くこともままならなかった。同じような症状が数か月後に起きたとき、はたと気づいた。
これはもしかしたら痛風というやつでは?
ネットで調べると痛風が発症した場合、足の親指の付け根は代表的な発症カ所だがアキレス腱もなることがわかった。
そうと分かれば医者だ。最寄りの整形外科に行き診察を受けた。検査の結果尿酸値は高めであるものの薬で抑えるべき数値でもないがどうするかという話になりました。
僕は即答で「食生活を気を付けます」と薬を断ったし先生の顔を見たらそれでいいと言っているような気がした。
そこから僕の食生活はガラッと変わった……とまでは言わないまでも、控えるものは控えるようにした。まずビールをやめた。思えば野外フェスのときは大量の汗をかき、大量のビールを飲んだ。その結果発作が起きたのは明確だし、僕は料理が好きで、あん肝や魚卵系が安くスーパーに出ていると買わずにはいられない人だった。調理は好きだし、いかの塩辛やアンチョビなんかも自分で作るくらいだから、あん肝やイクラのしょうゆ漬けはあれば必ず買って作っていた。そしてほとんどそれを僕一人で食べていた。そりゃダメだよね。
食生活を気を付けるようになってからはありがたいことに一度も発作は起きていない。起きそうなときは事前に薬を飲んだ。それも回数で言ったらこれまで2回くらいだった。
体に蓄積されるダメージやいわゆる生活習慣病の類は、老い・衰えの代表的な存在であるが、結局のところそれらとうまく付き合うしかない。好きな食べ物や飲み物を控えなければならないというのはどうにも不便であるが、ものは考えようである。ビールがだめと言っても毎日飲んだり、何杯も飲んだりしなければいい。寿司のイクラくらいの量なら問題ないし、あん肝も店で出したものを数人でシェアすればいい。質より量だった若いころから量より質を拘れば、楽しみもまた増えるというものである。
ビールのかわりに僕が飲むようになったのがこれ。
キンミヤをホッピーで割るとビールになる。そんなはずはないのだがそうなのだ。というより大正時代にビールを庶民が気軽に飲めるようにと開発されたのがホッピー。
昭和レトロを代表する商品として知られるこのホッピー。コロナ渦ではアルコールを提供する代わりにホッピーだけを出していた店もあった。アルコールは入っているが1%未満。ビールが痛風によくないのはプリン体が多く含まれたいるからなのだが、ホッピーにはそれがない。今では僕のお気に入りのドリンクである。
さて、ホッピーには断然キンミヤ派なのだが、甲類はできるだけさけていたのだけれども、やはりコスパがいい。僕の通っている串屋横丁 西葛西店はドリンクパスポートというのがあって、ある条件を満たすとキンミヤボトルを500円で入れるかビール一杯無料で飲むことができる。これは割ものなんかにも適用してもらえるのでビールを飲まない人にもお得。
今はアルバイトの人が卒業してしまったが、以前はこんな遊びをしていた。
お店の人とこういうコミュニケーションが取れるというのもある意味老いのなせる業なのかな。僕は一人で飲んで店の人と仲良くなってこういう遊びを思いつく。子ども、いや下手をすれば孫のような歳の差の女子とお絵かきをして遊ぶというのもなかなかオツなものである。お酒も甲ですが。
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