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デッドプール3ではなくデッドプール&ウルヴァリン

 7月24日に公開された映画『デッドプール&ウルヴァリン』を公開2日目に観に行った。とても満足できた映画であり、MCUに初登場したデッドプールは単に20世紀FOX時代からの3作目ではないと製作陣が語っていた言葉の通り、デップーとウルヴァリンの映画でした。

二人が戦う背後に破壊された20世紀FOXのロゴマークが

 しかし、こうした大作娯楽映画を観て興奮した時の感覚とは少し異質な気分で劇場を後にしながら、その原因はなんであるのかを確認するためにアメコミ映画系の動画でネタバレ感想動画を観てひとつの答えを見つけることができました。

 今回も意図的に吹替え版を観に行きました。理由は字幕では伝わりにくい表現やギャグパートのテンポについて行き易いこと、そして何より「オレちゃん」というセリフを日本語で聞きたかったからです。
 最近のアメコミ映画の傾向としてマルチバースや他作品からいろいろな登場人物や事件が絡むことが多く、ある程度の予習を必要とします。僕はそれも含めて楽しめる派なのですが、それを面倒とする意見もすごく理解できます。かくいう自分も友達に勧められて『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』を観るまでは、興味がないどころかむしろ否定的だったかもしれません。映画好きではあるので『アイアンマン』くらいは観ていまし、サム・ライミのスパイダーマン3部作、90年代のバットマン、80年代のスーパーマンは観ていました。
 一方でマイティ・ソー、キャプテン・アメリカ、ハルクといったキャラクターやファンタスティック4は見た目も設定も好きではなかったし、ウォッチマンやバッドマン・ダークナイトといった大人向けテイストの作品群にも懐疑的でしたし、ウルバリンが活躍するX-MENシリーズは一本も観ていません。

 そんな自分だからこそ今回の『デッドプール&ウルヴァリン』をアメコミヒーロー映画を見るのがこれまで苦手、まるで初めてという人にはお勧めしたいと思います。デッドプールとウルヴァリンはなぜ不死身なのか。それは仮面ライダーが改造人間であるのと同じ、人為的に『強化』が施されているからで、同じ系統にはキャプテン・アメリカがその代表で、事故で強くなのがスーパースパイダーに噛まれたスパイダーマン、ガンマ線を浴びてしまったハルクがあげられます。マイティ・ソーは宇宙人なのでウルトラマンといったところでしょうか。
 今回の作品には改造人間である二人の異質なヒーローのバディものとしてストーリーが作られているので、なぜスーパーパワーをもっているとか、何をきっかけで不死身の力を持つようになったのかは極端な話知らなくても支障はありませんし、ストーリーにかかわる部分としては会話等で簡単に説明してくれます。
 むしろ20世紀FOXがディスにーに買収され、X-MENを含む様々なマーベル・スタジオ以外で作られていたヒーロー作品にどんなものがるのかをタイトルと主人公の名前くらい知っていたらめっちゃ楽しめます。ウルヴァリンには仲間がいて、一匹狼の彼はその仲間たちとともに戦うときもあれば、単独で行動するときもある。超能力を持っている人間と普通の人間の狭間で動く重厚なストーリーがあるいうことを知っていればなお楽しめるし、そのリーダーであるチャールズ・エグゼビアの超能力が人の心を読み、操ることができ、実は彼にはカサンドラ・ノヴァという双子の兄弟がいたという今回の設定は、これまでの映画では登場してこなかったアメコミ原作の設定なので、それは当然のように映画の中できちんと描写があります。

 今、パリではオリンピックが開催されていますが、どの競技、どの選手にも過去の栄光と挫折、記録と記憶という歴史があります。よりオリンピックを楽しむためにはそうしたものを知っているに越したことはありませんが、そんなことを知らなくったってテレビで観戦していればざっと解説はしてくれるでしょうし、それと同じように『デッドプール&ウルヴァリン』は構成されている作品です。

 なので3だから前2作を観ていなければ楽しめないのではと思っている人は心配ありません。むしろまず映画館で体験し、お好みで字幕版か吹替え版(僕はこちらがお勧め)を観て面白いと思ったら前作を観てもらえればいいし、ウルバリンが出ている映画でいえばX-MENの1やウルバリンの単独作品を観て愉しいと思えたのなら、もう一度劇場に行きたくなると思いますし、あのキャラクターは何者なんだと気になった作品をいくつか予習すればさらに楽しめると思います。
 ただひとつ、ディズニープラスでしか見れないドラマ『ロキ』については、youtubeなどで解説動画を見るだけで十分楽しめると思います。そこで参考にしていただきたい動画をここに紹介します。
デッドプール関係

TVA(ロキ)関係

ウルヴァリン(X-MEN)


 俺ちゃんにはまるもよし、ローガンにはまるもよし、そこからマーベルヒーローのファンになるもよし。ぜひこの夏、『デッドプール&ウルヴァリン』を劇場で観てください!



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