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【往復書簡】メケえもんはホークをうまく使えない

\\\往復書簡、やってます///
人の話を聞くのが大好きな”めけ”と”ねる”が、あまり話を聞かずに好きなことをおしゃべりするお手紙マガジンです。

▼前回の手紙

 記憶が人格を形成する重要なファクターであることには違いないが、それだけでは人の持つ心や意識が形成されることはない。もしそうであればAIを搭載したコンピューターは人となんら変わりなくなる。
 もしものび太君がAIと文通をしたのであれば、それはドラえもんになるのだろうか。無理なお願いに対して「仕方ないなぁ、のび太君は」となんでもかなえられるような時代が来るのは、人の心のメカニズムがきちんと解明できてからのことだろう。

 めけェ門と記述するかメケえもんと記述するかめけエモンと記述するかで人はすでに3つのキャラクターを創造、或いは想像する。めけ衛門はいざというときに必殺の一切りで事態を打開する石川 五ェ門のようなキャラクター。メケえもんは青い。めけエモンはなんだか胡散臭いながらも弁が立つ。

 しかし、ねるェ門もネルえもんもねるエモンも僕には一つのキャラクターしか思いうかばない。せいぜい寝ているときの寝姿が違うくらいだろうというのは言い過ぎだろうか。
 ねるはどう思う?

 めけめけというキャラクターは無節操であり、変幻自在。「えもん」という言葉に引っ張られて存在が変化する。
 ときに物理の話を学者先生のように語り、先生と呼ばれれば金八先生のように人生を語る。恋愛も語らないことはないがそれは刑事コロンボのように「うちのカミさんがね~」とさりげなくシャイである。

 ねるは寝ようが練ろうが根っこだろうが、ねるはねるなのだと思う。そこが面白いし、付き合いやすく、だからこそ慎重に扱わなきゃって思う。ねるがねるじゃないときはきっとあるのだろうと思う。
 めけにも見せたくない、或いは見られたくない内面のようなもの(それは必ずしも本性を現さない)が存在するがそれを見られてもいいような言い訳すら用意して日々を過ごしている。
 自分を胡麻化すことに慣れているのかもしれない。

▼結論
量子力学の話は難しかった。

 ウヰスキーというのがある。もちろんウイスキーのことであり、whiskyのカタカナ読みなのであるが、Whiskeyでもある。前者はスコッチや日本、カナディアンであり後者はアメリカとアイリッシュなのだけれども、そもそもはスコッチから始まっている。ちなみにウヰスキーはニッカだ。
 そのスコッチはもともと「命の水」を意味するスコットランドのハイランド地方で用いられていたケルト語系の言語であるゲール語の「Uisge Beatha(ウシュク=ベーハ)」または「Usquebaugh(ウスケボー)」なのだけれども、はたしてそんなことを知っているからと言ってお酒の味が変わるはずもない。

 物理とか量子力学も同じで物質が全部分子で構成され、それが原子や電子といった量子が引き起こす現象であり、それらは最小単位の素粒子によって構成されていることを知っているからと言ってケーキの味が変わらないのと同じだ。

 話を戻すと、「欲しいのは、彼氏じゃなくてドラえもんなんだよな〜〜〜」と言った彼女の、突き抜けるような本音を、わたしはいまでも好ましく思っている。

 世の中のそれが真理だとして、方程式だとしても、どのように振る舞いそれをどう観測し、立証するのが学問であるのなら、めけは研究者でもなく、その理論を何かの役に立てる開発者でもなく、できることであればずっと学生でいたいのだけれども、それを許さない何かがあって、めけはキュレーターであることを目指している。
 実戦はできないし、自分で理論を組み立てもできないけれど、有力な理論や可能性を人に語ることはできるし、そうありたいと思う。 
 その振る舞いはねるから見るときっと青いネコ型ロボットに見えるのだろうけれども、めけが人からそういわれるのは今に始まったことではない。

 どういうわけだか僕の丸いおなかからは便利な道具が出てくると思っている人が少なくないし、十徳ナイフを持ち歩いていれば何かと役に立つだろうと工具にしろ理論にしろ笑い話にしろ、確かに僕は何かと持ち歩いてしかもいつでも取り出せるような便利なポケットを持っている。

 そうだ。僕にとってはドラえもんは大山のぶ代さんであり、今のドラえもんは僕のではない。ところが水田わさびさんがドラえもんになられたのは2005年というのだから、すでに20年近いキャリアがある。酒としては十分過ぎるくらいに熟成され、これからも活躍なされるのだと思うといつしか自分がマイノリティ側になっていることに驚く。

 はたしてねるのドラえもんはどちらなのだろうか。

 お金がないから、時間がないから、体力がないから、分不相応だから、いろいろ考えて手を伸ばさなかったものたち。
 もし、ドラえもんがいたならば
 ぼくは、何を願うだろう。

 僕ならばドラえもんに「一番無茶だと思ったのび太くんのおねだりって何だった?」と聞いて、その秘密道具をねだるだろう。きっとドラえもんはそれを断るのだろう。なぜなら僕はのび太君ではないからだ。それがドラえもんの本質なのかなと思う。

 これはSF的なタイムパラドックスでもあるのだけれども、のび太がねだらないものは存在しないし、一度ねだったものは消滅してしまうような気がする。根拠はない。そんなことはあとじじっくりお茶を飲み、ケーキを食べながら考えればいいことなのだと思う。

 それが人と会って話すことの楽しさであり、意味なのかなぁと思う。そこにはそこでしか出せない結論があり、その結論は使いまわしがきなかい。もし友達というものを定義するのであれば、そういう事象がいくつか当てはまる存在や関係性なのだろうと思う。

 ソクラテスという人を知っているだろうか?
 もちろん僕もあったことはない。
 生まれた場所も時代も違うからだけど、彼の残した言葉に触れることができる。彼が誰にどんな言葉を残したのかを本で読むことができる。

我々が皆自分の不幸を持ち寄って並べ、それを平等に分けようとしたら、ほとんどの人が今自分が受けている不幸の方がいいと言って立ち去るであろう。

 それなりの偉人であるが、そんな彼も家に帰ればろくな働きもしないで朝から晩まで人と話して何になるのだと嫁さんに頭から水をかけられるように人である。(正確には水よりもひどいもの)

 めけめけはそもそも作られたキャラクターであり、そう名乗るまでとそれからではまるで違う人生を歩んでいるとも言えるし、カミさんから見るとおそらく体系や髪の毛の量が変わっただけで何も変わらないか、或いは劣化しているだけに見えているのだと思う。
 なぜなら彼女の前でめけめけはめけでなく僕、或いは俺なのだから当然である。ゆえに(いや、これはミスリードだ)遠慮などすることはないのだと伝えたい。
 めけめけというキャラクターは僕の、俺の分身ロボットと言っていい。

 ロボット三原則からいうとはたしてドラえもんはロボットなのだろうか?

  • 第一条 ロボットは人間に危害を加えてはならない

  • 第二条 ロボットは、第一原則に反しない限り、人間の命令に従わなくてはならない

  • 第三条 ロボットは、第一、第二原則に反しない限り、自身を守らなければならない

 僕は家庭ではこの三原則には当てはまらない。命令を聞かないし、第三条も怪しいし、家族に危害を加えるものはどんな人間だろうとも第一条は適用されない。
 しかし一歩外に出てめけめけであるときには、ドラえもんのような振る舞いをする。もちろん僕がのび太君認定をした相手にのみ発動する能力みたいなもので、相手がジャイアンやスネオ、しずかちゃん、ましてできすぎ君であればドラえもんにはならない。

 人をのび太君扱いすることは果たして人道的にどうであるのかは別として、遠慮をされるとこのようなつまらない話をぐだぐだと手紙に書くことになるので、覚悟を決めておねだりしなさい。
 待てよ、そうえいば、ねるはジャイアンだったっけ?

 ほらアタシ、根がジャイアンだから……
 オマエのものは俺のモノっていう、究極の末っ子基質というか、いやそれじゃあ、世の中の末っ子に申し訳ないワ……もちろん、ジャイアンにも。

 コートが必要な季節になる前がいいな。その時期には鍋をつつこう。だからその前にケーキを食べよう。ちなみにアインシュタインは昆布の佃煮やチーズとトマトが入ったマカロニスパゲティが好きだったらしい。相対性理論によって存在が明らかになったブラックホールの中に入ると人間はパスタのようになってしまうという話を聞いた時、僕は笑ってしまったのだけれども、めけが好きなのはペペロンチーノかジェノベーゼ。

 ねるはどうなのだろうか。
 もしかしたらパスタを上手にホークで食べられれなかったりするのではないかと、その人の好みよりも食べている姿を想像してしまうめけであった。

美味しかった記憶のディティールは解像度が粗い

ライブイベントでペペロンチーノか茄子とアサリの和風パスタが選択できたのですが、自分が選んだペペロンチーノの味よりも、隣の人が食べている茄子とアサリの和風パスタのおいしそうな記憶の方が強く残っています。

みんな、記憶ってどうしてる?

▼今までの手紙

追伸
スプーンを使うと上手に巻き取れるのだけれども、それは子供がやることだという話を聞いてからはやっていない。
食べやすい方法で食べたらいいのにと思いながらも、不器用に太く巻き付いたパスタを口にほうばるめけなのです。

追伸2

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 ISO WHAT I(愛想笑い)でドラムやるから遊びにおいで。今回はトリなのでがっつり叩くし歌うよ

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