【感想】ズームバック×オチアイ「2021 大回復(グレートリカバリー)への道」
以前、見たズームバック×オチアイ(参考:【感想】ズームバック×オチアイ特別編「落合陽一、オードリー・タンに会う」)が面白かったため、新春特別企画の番組を見た。私は落合陽一氏については、ほとんど知らない(特にファンではない)のだけれど、日本・世界の識者たちが、何をどう考えているのかには興味がある。
今回は落合陽一氏と、台湾のIT大臣オードリー・タン、ドイツの哲学者マルクス・ガブリエルとの対談も含まれている。落合陽一氏は2021年を大回復(グレートリカバリー)の年になるという。はたして2021年はどんな年になるのだろうか。
危機の翌年(3つのブレイクスルー)
未曽有の事態を迎えている今こそ、歴史に学ぶ時だ。歴史が大きく動いた時代、その半歩先に何が起こったかを見れば、これから先にあることも予測できるかもしれない。
1:ジェンダー
過去の歴史の転換点を見ると、その直後の時代はジェンダーにおける変革がもたらされたことが分かる。1929年の世界恐慌の翌年には、女性の社会進出が著しくなり、職業婦人になる人が多くなった。主人の経済力だけではやっていけなくなった女性たちが、のきなみ働きに出始めたのだ。1945年の世界大戦の直後には、女性に選挙権が与えられ、32名の女性議員が誕生した。
2021年は感染症の大流行で人々の働き方に大きな変化がもたらされた。テレワークやリモートワークを行う人が増えた。いくつかのアンケートでは、これからもリモートワークを続けたいと願う人たちが多いという。もしかすると、これから家事をこなしつつ、子育てをしつつ、女性たちがよりいっそう躍進を遂げる社会が来るのかもしれない。
2:イノベーション
2008年のリーマンショックの直後にはブロックチェーンの技術を用いて仮想通貨が生まれた。1973年のオイルショックの直後に始まった、サンシャイン計画では5000億円を投入し太陽光・水力・地熱などの発電事業が大いに躍進した。これまで有用だったものが限界を迎える時、代替として新たなものが生み出されるのだ。
2020年にはオンラインで仕事ができる環境が整った。しかし、娯楽のほとんどは、フィジカルの限界があり未だ先が見えない。だからこそ、これから娯楽もデジタルの世界にいっそう移行していくかもしれない。
3:レボリューション
1930年のインドでは、イギリスの塩の専売に対抗して、ガンジー率いるインドの人々が「塩の行進」を行った。彼らは塩を取り戻そうとしたのだ。2020年には、日本がいかにテクノロジーを失っているかがはっきりした。いわば日本は元技術立国だ。今は、アメリカと中国の世界的企業が富を独占しているのだ。
落合陽一氏は、2021年、ローカルのITサービスが力を取り戻すのではないかと考えている。民藝性=自分の道具は自分で作る時代への回帰だ。
必要は発明の母
私が興味深かったのは「イノベーション」の項だ。既存のシステムに満足しているうちは、新しいシステムは生まれない。ピンチが訪れる時こそ、今までのやり方を抜本的に見直して、新しいものを生み出すチャンスになる。コロナ禍で、これまで当たり前だと考えてきた多くのシステムが崩壊の瀬戸際にある。こういう時こそ、イノベーションは生じるはずだ。
私の大好きな映画「フラガール」の中では、炭鉱がなくなろうとしている町で、新たに観光産業に舵を切る人たちの姿が興味深かった。過去の成功体験の延長線上で考えるのではなく、突飛だとしても全く新しいアプローチこそ求められているものなのだ。
困った・・行き詰った・・もう手がない・・こういう局面こそ、今までにない発想を実現させるチャンスと見たい。そのためには落ち込んで下を向くのではなく、チャンスを探して前のめりの姿勢でいるべきだ。
やはり歴史に学ぶというのは興味深いアプローチだな!と感じた。
大人のADHDグレーゾーンの片隅でひっそりと生活しています。メンタルを強くするために、睡眠至上主義・糖質制限プロテイン生活で生きています。プチkindle作家です(出品一覧:https://amzn.to/3oOl8tq)