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せとひとめぐり企画の裏側【感想】ひとモノガタリ:「私たちは、つながれる〜コロナ禍の“人めぐり”〜」

コロナ禍の中で、折れつつも、折れない人の姿を追うドキュメンタリーが好きだ。今回の番組の舞台は、愛知県瀬戸市。焼き物で有名な市だ。9月に行われている「せともの祭」は、この市の観光の目玉。昨年は2日で26万人を動員したという。(瀬戸市の人口13万人に対して、このお祭りの動員数はすごいね!)。ところが、このお祭りもコロナ禍で中止になってしまう。

そんな中、瀬戸市でゲストハウスを営む南さん夫婦が、この状況でも、できることを行おうと立ち上がる。「せともの祭」の代わりにはならなくても、何らかのイベントを行おうと計画した「せとひとめぐり」。若者たちの頑張りと不屈の精神が際立つイベント「せとひとめぐり」の背景を追う。

コロナ禍で心が折れる人たち

コロナ禍で予定も計画も、時には人生設計も大きく狂ってしまった人は少なくないだろう。私もわずかながら、すっかりプランが狂ってしまった。数か月はペースを作るのに苦労した。

でも、今回スポットライトが当たった、南さん(26歳)も、やはり、コロナ禍で力が奪われた人の一人だろう。南さんは、今から2年前に、古民家を改装したゲストハウスを開設。やがて、宿泊客と、町の人をつなぐ貴重な交流の場として人気になった。年間の利用客は1000人越え、南さん夫婦のもとに、いろいろな人が集まってくるのだ。

しかし、そのゲストハウスもコロナ禍の影響を受け4月には休業した。その後、2か月予約はゼロ。今後の見通しが立たなければ廃業もちらつくことになる。観光客が来てくれないことには先がない。期待していた、せともの祭まで中止になった。南さんの苦悩は画面越しに十分すぎるほど伝わってきた。私もそうなんだけど、コロナが、こんなに続くと思ってなかった。しかも、まだ見通しが立たない。

人と人をつなぐイベント

それでも、ここで、折れっぱなしにならないのが、南さんのえらいところだ。同じ年代の若い夫婦たちと協同で「せともの祭」の代わりになるイベントを立ち上げることにした。それが「せとひとめぐり」だ。コロナ禍の中で、一つの場所に集中させて人を集めることはできない。しかし、分散させて、市内の様々な店舗に立ち寄ってもらうことはできるのではないか。

参加者は「はりきりチケット」を渡すと、各店舗でのサービスを受けられる。多くの場合、それは店主と会話しながらコミュニケーションできるサービスだ。陶芸店や茶道具屋さんなど、合計で27店舗が参加することになった。地味な企画だけど、店主さんたちも、お客さんも大満足だった。ソーシャルディスタンスを保ちつつも、会話して、顔と顔を見ながら買い物ができたからだ。

若手の店主たちは、オンラインショッピングにも積極的だが、やはりオンラインと、一対一で顔と顔を合わせるのは違う。お客さんの一人が言っていたコメントが印象的。「つながりができる。おしゃべりができて、久しぶりに呼吸ができた感じ」。
商業的にも、動員数の面でも「せともの祭」とは成果はけた違いではあるものの、この時期に踏み出せた一歩は、大きな一歩だった。南さんと仲間たちは、人と人のつながりを、あきらめていないことを示したのだ。

人には人が必要

コロナ禍は、人と人のつながりを強制的に断ち切った特別な災難だったが、やはり人は人を必要とするのだ。

南さんはゲストハウスをオープンする時に、市内の300人もの人が手伝いに来てくれて「愛」を感じた。そして、瀬戸市や、そこで頑張る仲間に恩返ししたいと願ったのだ。南さんは「人との関係性の中で自分が作られている」とコメントしていた。最初は瀬戸市のために始めたゲストハウスではなかったが、だんだん、地域のために活動するようになっていった。人は、人が与えてくれる想いに応えるものだ。

失わないと分からないものがある。生きているって実感も、病気になったり、けがをしたりしないと、なかなか気づかないもの。人と人とのつながりも、そうかもしれない。人と人のつながりが、実は生きていくために「必要」だったってことを、コロナは教えてくれたような気もする。人に会うような用事はすべて「不要不急」と言われがちだったが、実は、それこそ「必要」なことだったのではないか。

コロナ禍は、長く続く。私自身、来年の予定も見えない。しかし、同時に、この中でも、やり方次第でできることも、いろいろ見えてきた。主に危険なのは、一緒に飲食をすることか。何をどう予防すれば良いかに関しては、いろいろデータが集まってきている。

withコロナ時代を生きるには知恵と熱い思いが必要だ。そんなことを、今、感じさせられている。

#せとひとめぐり #ひとモノガタリ #コロナ禍 #NHK #瀬戸市 #せともの祭  

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綿樽 剛@AGA・薬を使わない薄毛対策
大人のADHDグレーゾーンの片隅でひっそりと生活しています。メンタルを強くするために、睡眠至上主義・糖質制限プロテイン生活で生きています。プチkindle作家です(出品一覧:https://amzn.to/3oOl8tq