天職・ライフワークの追及の仕方はそれぞれ【書評】それでも仕事は「好き!」で選べ 田中和彦
天職系の本はグッと気分が上がるよね!時々は、こういう本を読むと楽しい。私は田中氏のことはまるで知らなかったけど、彼のライフストーリーはなかなかに興味深い。元リクルートの編集長で、40歳の時に、一念発起し、映画プロデューサーに一般応募する。いろいろな仕事を手掛けてきて、そのどれも無駄になっていない。
だからこそ、いつからでも本当にやりたいことにチャレンジするのに遅すぎることは無いと、背中を押してもらえる良書だ。
「人は時間が限られると、優先順位を決めるのです。」
本当にやりたい仕事を探すには、もし、自分にあと1年しか無ければ、何をやるかを考えること。
「「いかなる仕事に就いたとしても、その仕事で絶対に成功すると100%保証されているとしたら、どんな仕事を選びますか?」」
結局は、自分には無理だ・・失敗するかも、挫折するかも、そういう恐怖に負けているだけ。本当にやりたいことに自分では気が付いているのに、そこから一生懸命に逃げようとしている自分。
本気にさせられる名言が多い。
受験のシンデレラ
印象に残ったエピソードは、和田秀樹氏と共に制作した「受験のシンデレラ」という映画の話。このエピソードの全体を通して、やりたいことを貫くときに、どれほどの質の高い仕事ができるかを教える、まさに「シンデレラストーリー」だ。全く知らなかったけど、機会があれば、ぜひ見てみたい映画だ。
ま~、この映画の話と少しそれるんだけど、ずっと映画監督になりたかった和田氏の夢への追及の仕方が、インパクトがあった。
見方を変えれば、好きな分野では多くの稼ぎを得られなくても、ある分野で生活のためにきちんと稼ぐというような自分本位の働き方を実現させるチャンスが増えていると言えるのではないか・・・
たとえば、僕が『受験のシンデレラ』という映画で仕事をご一緒した和田秀樹さんは、精神科医、受験コンサルタント、評論家、大学教授など、それこそ複数の肩書を持っています。 今回、さらに映画監督の肩書が加わったわけですが、かなり前から、「映画監督になるために、医学の道に進もうと思った」と公言されています。 映画少年だった和田さんが将来の進路を考えていた約30年前は、映画業界は斜陽産業の代表格で、映画会社への就職などまったく考えられない時代でした。 だったら自分で稼いで映画を撮ろうと思い立ち、自由業で稼げそうな職業として、医師の道を選択したと言うのです。
好きな映画を撮るため、映画では食っていけないので、医師を目指したという和田氏。すごすぎ。その発想は全然無い、普通。食っていくための仕事なら、もっとバリエーションがありそうだけど、自由業で稼げそうなのが「医師」か。だからこそ、天才なのかな。
それにしても、食べるための仕事(ライスワーク)とライフワークって、なかなか一致しないから、割り切ってこういう考えも良いのかもしれない。結果としてダブルワークになるけど、ライフワークに妥協せずに臨むことができるメリットがある。
サラリーマン歌手として一世風靡した、この方の話も出てきます。
プロなら、それしか仕事をしてはいけないというものでない。生計を立てようと思うとかえって、好きなことが好きなことではなくなる。それなら、理想の「副業」という選択肢もありなのではないか?
視野が広がった。
この本と同時に、いくつか「天職」系を読んでいたけれど、田中氏の本が一番グッと響いた感じがする。やはり、現実に、40歳でキャリアチェンジをして、今をイキイキ生きている人、まさに実践してきた人のみが語れる重みがあったからなんだろうな。
ときおり、気分転換にこういう本もお勧め。
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