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理屈屋さんのためのセルフヘルプ心理学。論理療法(REBT)をこねくり回す。

私は、一度、心理学を挫折しているけれど、論理療法(REBT)に出会ってから再び心理学熱が高まった。認知行動療法(CBT)ではなく、論理療法というのがミソだ。論理療法は、見た目も中身も認知行動療法と変わらないのに、日本での認知度が低い。

論理療法とは

論理療法は、ABC理論が有名だ。A(出来事)・B(思い込み)・C(結果)。B(思い込み)が非合理的な考え方に凝り固まっていると、ネガティブな感情を抱きやすくなる。ネガティブな感情を抱いたときには、とにかく「自己説得」に励むのだ。とにかく本を読んだり、論理的に考えることが大好きの私は、左脳優位の論理療法にどっぷりハマった。

この本も、持っているけど、まあ信じられないくらいに、理屈っぽいのだ。これでもか、これでもかと理屈で自分の非合理的な考え方を攻撃する。ネガティブな感情を意志の力で突破する感じなのだ。「自己説得のサイコセラピィ」である。

グロリアと三人のセラピスト

論理療法の「論理」は、実に明快で、ぐうの音も出ないほどなのだけれど、日本人は、あまり論理的ではないから受け入れづらいかもしれない。優しく受容的なカウンセリングや、ちょっとスピリチュアルに寄った心理療法のほうが人気が出るかもしれない。

グロリアと3人の心理療法家という有名な動画がある。以前はyoutubeで見ることができたが、今は、著作権の問題か、削除されている。これが、面白いのだけれど。

クライエント中心主義のカール・ロジャーズ、ゲシュタルト・セラピーのフリッツ・パールズ、論理療法のアルバート・エリスが同じ患者のセラピーを行うというものだ。とにかく受容的で優しいロジャーズと、患者を挑発して本音を引き出して行動変容を迫るおっかないパールズが脚光を浴びる。そして、エリスは「理屈っぽいおじさん」やな~というくらいで終わる。

エリスのカウンセリング風景は、まあ、とにかく黙っていない。患者との「言い合い」にも見える。教育的なカウンセリングというのが、しっくりくる。合う人には合うけれども、合わない人には絶対的に合わないという感じが漂う。

当のグロリアもロジャーズとパールズについてはコメントしているが、エリスについてはスルーなのだ。どうも、グロリア自身の感想から言えば、エリスの論理療法は「毒にも薬にもならなかった」ような印象がある。これを見る多くの臨床家もそういう意見だ。

しかし、私は、グロリアが、真に問題を解決するには論理療法を自分で理解し、使いこなすことが必要だったのではないかと考えている。他の人から、非合理的な考え方を批判され、矯正されると腹が立つけれど、自分自身で自分の考え方を調整していくのは、長い目で見れば患者の益になる。

このビデオを見た方たちの感想などをブログで見ると面白い。論理療法のスタイルが分かるのではないか。エリスに触れている人がそもそも少ないんだけど。こういうのを見ると、日本では論理療法が、なかなか受け入れられない理由も分かる気がする。

論理療法のおすすめ本

論理療法に関しては、あまり人気がないだけあって、あまり新しい本がない。最近、出版された、この本は表紙もタイトルも一般受けしそうだ。しかし、中身はバリバリ論理療法なので、覚悟して読む必要があるだろう。

論理療法の本は、どれも「翻訳が悪いのか?」と不思議に思うくらい読みにくいのだが、おそらくは、論理療法ならではの言い回しや理屈をこねくり回すところが、読みにくく感じるのだと思う。どの本を読んでも同じだから。

読書大好きの私も、エリスの弟子ドライデンの著作などを読んでいる時には、もう読むのを挫折しそうだった。理屈こねくり回しすぎて、こっちの頭がこんがらがってしまった。

さらっと論理療法を理解したいなら、この本でOK。ぎんゆうしじんさんのkindle本。薄いけれど、ちゃんと要点をつかんでいる。

認知行動療法(CBT)との違い、ベック博士とエリス博士の違いなどに関する興味深い論考がある。多くの人に好かれ、一般的に広めていく点で長けていたベック博士をビルゲイツ(マイクロソフト)に、そして、変わり者で熱狂的な支持を仰ぐ一方で一般的に広まらないエリス氏をスティーブ・ジョブズに例えて説明している。

私も著者のぎんゆうしじんさんと同様、論理療法(REBT)が日本にそれほど広まらないのは残念だと思っている。ABC理論を含め、論理療法は理解しやすく取り組みやすいので、うまく活かせば日本人向けのセルフヘルプに適していると思える。まあ、理屈っぽい人限定だけど。

ということで、今月は、私の好きな論理療法について、以前、まとめた記事を、自分の勉強がてらアップしていく。(専門家ではないので、間違った理解はご愛敬)

エリスの代表作。これも持っているけど、まあ、タイトルよりはるかに小難しい本だ。まあ、そういうのが、ハマるっちゃハマるんだけど。かなり人を選ぶような感じがするな~。


大人のADHDグレーゾーンの片隅でひっそりと生活しています。メンタルを強くするために、睡眠至上主義・糖質制限プロテイン生活で生きています。プチkindle作家です(出品一覧:https://amzn.to/3oOl8tq