向き合い続けること、それが仕事でも子どもでも
自分がやることは、目の前にあること。
どこか遠くの困っているであろう人を助けようとするのではなく、今目の前にいる人の前で「自分で在る」こと。
それが「自分のやること」だと忘れては思い出します。
それは
何百人も集まる大きな仕事であろうと、普段の子どもとの関わりであろうと重要さは同じです。
子どもと向き合う
子どもが小学校に通うようになってから、「やること」により意識を向けざる負えない状況になりました。手洗いうがい、歯磨き、宿題、学校の準備など。
「小1の壁」という言葉はあまり使いたくないけれど、学校のペースに合わせるというのは最初はなかなか慣れないもの。入学してだいぶたつ今も、親である私の方も慣れない感覚です。
その中でも「時間までに登校させる」というのに、苦戦していました。(この言い方がそもそも違うのですが…)
工夫
最初は親が全部準備して、一緒に確認するところから始まり。必要な物のチェックシートをつくって子どもが準備できるように工夫したり、教科書の配置を変えてみたり。
朝の声かけも、朝起きてすぐに確認するのか、しばらく子どもの様子をみてから声かけをするのかなどいくつも試していました。
けれど思うように準備をしてくれない子どもに私は
「どうしてできないの!」「間に合わないでしょ!」「早く早く!」とイライラしてばかり。
相手のものの見方に興味関心をもってみる
そんなやりとりの中「そうだ、IPS(意図的なピアサポート)でやっている対話をやってみたらどうかな」と思いついて試してみることに。
「朝何時までに教室に入ればいいの?」
「昨日〇分に家を出たら、何分に教室についた?」
「〇分に出発するには何時に起きればいいかな?」
と
対話よりも手前の「相手のものの見方に興味関心をもってみる」ということから始めてみました。
すると
「後から来た子もいたから今日は大丈夫だった」
「ギリギリセーフにしてもらった」
「遅いと言われた」
ということから
→早くいって遊ぶよりもギリギリまで家でゆっくりしたい
→時間や周りに子よりも先生に言われて「間に合ったかどうか」を判断している
なんてことが見えてきます。
子どもとの対話で意識していたのは
大人のような言葉でのやり取りがまだ慣れていない子どもには、一つ一つその子がわかるような表現で尋ねてく、ということを常に意識していました。
「間に合うように準備して行く」というだけのことですが、この文にはいくつもの内容が含まれているからです。
<間に合うようにとは何に?>
→「朝の会のはじまり」なのか「先生がくる時間」なのか「音楽が鳴るタイミング」なのか「係があいさつをするとき」なのか
<準備とは?>
→何時に家をでるのか?何を持っていくのか?ランドセルには何を入れるのか?月曜日と木曜日では何が違うのか?何を見ればわかるのか?朝は何をして、何をしないのか
などなど
「間に合うように準備して行く」という言葉に、いくつもの事柄が含まれています。そして、それは人によっても変わります。
いくつものとらえ方
親としては〇分に出発するのが「間に合う」だけれど、子どもにとっては△分に家を出るのが「間に合う」かもしれない。
準備にしても、親はできて当たり前と思っても、子どもにとっては数も多いし一つ一つ揃えるのも大変かもしれません。
「間に合うように準備して行く」こと一つとっても、一つ一つ親子で合わせていかないと「どうしてできないの!」「間に合わないでしょ!」「早く早く!」と、私のように朝からグッタリするようなことになりかねません(笑)
だって、難しい
そりゃ~、あれもこれもと物も多いしやることの手順も多いし、それらを一気にやるのって慣れないと難しいですよね。子どもの身体が未発達なこともありますし。
そんなときに「対話」ができると、子どもからはどう見えているのか、どのようなとらえ方をしているのかが、見えてきます。
たとえば
親「何分に出ればいいかな?」
子「〇分かな」
親「(もっと早くでんか~い!)お母さんは前は△分に出よう、と言っていたけど、△分じゃなくてもいいの?」
子「教室についてプリントを出してランドセルをしまったりするけど、〇分に出るだいたい先生が始めるのに間に合うんだよ」
親「そうなんだ、じゃあ明日は〇分に出発しよう。それには今夜何を準備しておけばいい?」
子「プリントに書いてある教科書と、体育服。あと△△も」
親「そうなんだね~」
というところで、子どもが準備を始めます。
準備が無事できたとはいえ、次の日の朝もスムーズに全てがうまくいくわけではありません。
ゴールはなに?
けれど、親が思う「間に合うように準備して行く」がゴールではなく、「子どもが自分で間に合うように準備して行ける」ようになるのがゴールなので、
「子どもを思い通りにしたくなる自分」「コントロールしたくなる自分」「このやり方が正しいと思い込んでいる自分」「こうすべきにとらわれている自分」「人の目が気になる自分」…
子どもとの対話の中で、自分に向き合い続けることが必要なのです。
仕事が重要で家庭はだいたい、ではなく、講師から学んで子どもには教えるでもなく、目の前のことと向き合い続けることで成長するし、派手な何かや遠くの大きな事に目を奪われずにすみます。
「皿洗いをしていても悟れる」という方がいますが、仕事だろうと掃除だろうと、雑用といわれることだろうと、まずは目の前のやることに向き合ってみましょう。そこに、尊さがうまれるのです。
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ファシリテータープロフィール
えりぃ
家族が事故で障害を負ったのをきっかけに大学で福祉を学び、国家資格精神保健福祉士を取得。卒業後は施設や病院で勤務し、1000件以上の相談支援を行う。出産後、アレルギー治療のため食、自然療法、整体等を学び、妊娠・出産・子育てのNPO活動を行う。メンタルヘルス分野のWRAP(元気回復行動プラン)・IPS(意図的なピアサポート)を学び、仲間とグループワークを開催。お産を語る会やメンタルヘルスの勉強会、講座等多数開催。現在は、女性のためのメンタルサポートとして、オンライン・対面でのグループワーク、勉強会などを開催している。
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