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プレーに悔いなし!スポーツ心理学で学ぶ後悔の対処法

年齢を重ねるにつれて、スポーツ選手は「あの試合であのプレーをしておけば」「あのトレーニングをもっとしておけば」と過去のプレーを悔やむことが増えます。同時に、「チームに迷惑をかけたくない」「キャリアの終わりには安定した生活ができるだろうか」というように、キャリアの終盤に対する不安を感じることも珍しくありません。結局のところ、アスリートも悩む存在です。

「人は考える葦である」と哲学者パスカルが言いました。自然界の中の一本の葦に過ぎない人間ですが、考える力を持っている点で偉大です。そして、それが人間らしさなのです。過去を思い返すと後悔が、未来を考えると不安が訪れるのも、考える存在である以上、避けられません。悩むのは人間の証です。

ただし、過度の思考は推奨されません。考えすぎることでミスを犯し、決断できなくなり、ためらい、精神的な病を患うこともあります。だからこそ、考えすぎないために自分のルールを定めることが重要です。

例えば、メニューが豊富すぎて決めかねる時は、自分の考えに従います。やる気が出ない時は、「あとでやろうはダメだ」と自分に言い聞かせ、ただちに行動を開始します。または、日々のルーティンを確立し、行動しなければ落ち着かないほどにします。行動する前に考えるのではなく、考える前に行動する習慣をつけることが肝心です。

コーネル大学のギロビッチ教授は、行動に対する後悔は短期的には大きいものの、行動しなかった後悔は長期にわたってより大きな後悔を引き起こすという研究結果(1991年)を報告しました。

多様な方法で幅広い層からデータを集めた結果、行動しなかったことに対する後悔がより記憶に残るとのことです。つまり、行動しないことよりも行動したことの後悔の方が望ましいということです。考えすぎて結局行動しない選択をすることほど、心に重荷をかけるものはありません。

ツァイガルニク効果とは、1927年にツァイガルニクが提唱した、「未完の出来事の方が記憶に残りやすい」という現象です。

テレビ番組でよく見る「続きはCMの後で」という演出もこの効果を利用しています。

人間は未完の出来事や中断された出来事をより覚えているものです。行動したことよりも行動しなかったことを深く、長く悔やむのです。だからこそ、行動しなかったことの後悔より行動したことの後悔を選ぶべきです。何歳になっても悩むことは、何歳になっても「行動」を選べるということです。だからこそ、考えすぎずに行動を起こすためのルールを定めることが、ストレスの少ない生活への鍵です。

笠原彰心理学的分析

人間の悩みや後悔は意思決定の過程で起こる自然な反応です。パスカルの言葉は、人間の考える能力が、我々を他の生物と区別し、その力を使うことで人生を豊かにも苦しめることもあるという哲学的見解を示しています。ギロビッチの研究は、行動に対する後悔と行動をしないことに対する後悔の影響を比較し、長期的な視点で見た時には行動を起こさないことの影響がより深刻であることを強調しています。ツァイガルニク効果は、未完了のタスクや出来事が記憶に残る傾向を示しており、これは人間が「未完」に対して持つ特有の集中力や興味を反映しています。これらの概念をスポーツに適用することで、選手たちは過去のプレーを後悔するのではなく、将来の機会に向けて行動することの重要性を理解し、精神的な健康を保つための戦略を持つことができます。

笠原彰プロフィール:

作新学院大学メンタルトレーニング教授
とちぎスポーツ医科学センター協力心理相談員
プロメンタルコーチ
自己肯定感養成プロコーチ
ライフバランスアーティスト
健康運動指導士
メンタルヘルスファーストエイダー
メンタルヘルス運動指導員

アスリート、コーチ、指導者、ビジネスマン、音楽家など、人生をより豊かにしたい全ての方の挑戦をサポートします。

専門的な知識を習得したプロメンタルコーチとメンタルアスリートを養成しています。完全個別指導でプロメンタルコーチとアスリートを養成します。

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