緊張をコントロールする「クワイエットアイ」
○クワイエットアイ
緊張で「あがった」場合の対処法は、リラクセーション技法のほかにもあります。過剰に意識することで自動化された動きが崩れてしまう「意識的処理」の説明で少し触れたその対処法として、クワイエットアイを紹介します。
これはプレーを開始する前にターゲットとする1点を注視する方法で、プレー中に心を落ち着かせるのに有効です。バスケットボールのフリースロー前にリングの一点を注視する、またはゴルフのパターを打つ前にカップの一点を注視する、といったような例を想像してもらえれば分かりやすいかもしれません。
このクワイエットアイは、競技初心者ほど注視点がさまざまな点に置かれていて、熟練者の場合はある1点を注視して行われている違いが実際にあります。またバスケのフリースローにおいて、クワイエットアイの時間が短い方が成功率は下がる結果となり、さらにはプレッシャーがかかる場面になるにつれてクワイエットアイの時間はより短くなっているということも研究結果として報告されています。
余計なことを考えず注視した点に意識を集中することでプレーの自動化が保たれ、緊張した場面でもパフォーマンスが維持されて自分のプレーができるのです。プレー中に時間の制約があるなど、クワイエットアイを行うには難しいケースがあるかもしれませんが、注視時間が確保できるのであれば可能な限り1点に集中してみるといいかと思います。さまざまな競技で想定し、応用してみてください。
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