コインローファーの奥深い話、ローファーを買うときに考えるポイント
今回もメンズドレスファッション、大人のメンズファッションについてご紹介していきます。
今回のテーマは『コインローファー』です。
革靴の中ではとりわけカジュアルで、普段着に取り入れやすく、シンプルなカットソーやニット、シャツ一枚でも様になり、ジャケットやネクタイとの相性も抜群なのがコインローファーです。
シューズの中での汎用性の高さはものすごく高いアイテムがコインローファーです。
是非一足はおさえておきたいアイテムとなります。
この記事では、コインローファーの特徴と、購入するときのポイントをまとめていきたいと思います。
1. コインローファーとは
ローファーとは『怠け者』という意味合いがあり、元々はイギリス王室などの室内履きとして作られたとされています。コインローファーは、アメリカのG.H.Bass社が開発し、アイビーファッションの代表アイテムとなり、流行しました。特徴としては、サドル部分の切れ込みで、別名ペニーローファーとも呼ばれ、切れ込み部分にコインを挟んだことが名前の由来となっています。
爪先部分はUチップと呼ばれるU型が主なデザインになります。また、Uを形どっている部分をモカシンといい、独特な縫い目が特徴になります。このモカシン部分も様々な技法があるので、以下で一部紹介していきたいと思います。
2. コインローファーの顔
コインローファーには大きくわけて、『フランス顔』と『アメリカ顔』の2パターンに分かれると考えます。今回はそれぞれの代表といわれるアイテムを使って説明していきたいと思います。
『フランス顔』J.M. WESTON #180 シグニチャーローファー
①画像引用:J.M. WESTON - ジェイエムウエストン公式
フランス顔の代表コインローファーとして、紹介させていただくのが『J.M. WESTON #180 シグニチャーローファー』です。
コインローファーでのフランス顔の特徴としては、品の良さです。ローファーというカジュアルな革靴を極限まできれいなディティールでまとめると、このように美しい品が生まれます。
ポイントはサドルの付け方が、『ハーフサドル』と呼ばれ、サドルの両端が、モカシン縫いの近辺でかぶせ縫いされているところが、シームの主張が少ないことでスッキリした印象を与えます。
また、モカシン部分は、『拝みモカ』といって、革の縁をせり上げながら縫い付ける製法でこちらもスッキリとします。
本当に惚れ惚れする美しさがある靴だと思います。
『アメリカ顔』Alden 99162
②画像引用:THE LAKOTA HOUSE
アメリカ靴の代表として紹介させていただくのが、『Alden VANラストローファー』です。上記の画像と品番はシェルコードバンのものですが、Aldenはもちろんコードバンで有名ではあるものの、カーフも素晴らしいのであまり品番は気になさらなくてもいいかと思います。
フランス顔のウェストンと比べると、シーム(縫い目)が目立つ感じを受けます。Aldenのモカシン部分は特殊で、職人の手仕事により作られています。通常は2枚の革を合わせて作るものが多い中、Aldenは1枚の革、プレーンなところを手仕事によりつまみ縫いをしてモカシンを作っています。
アッパーとソールをつなぐ部分、コバと呼ばれる部分もウェストンと比べると、大きく出ているデザインで、コバのシームも目に入るデザインとなっています。
もちろん美しさもあるのですが、それよりも、この無骨さ、土臭さというものがアメリカ顔の大きな利点です。
3. コインローファー選択の基準
上記紹介した2足は、それぞれフランス顔、アメリカ顔の代表の1足といったローファーを紹介させていただきました。各ブランドから出ているコインローファーはそれぞれに特徴があり、間を取ったようなデザインも多く存在します。
どちらのデザインも万能性は本当に高く、どちらも所有することをお勧めしたいのですが、判断基準としては、きれいにスッキリ合わせたければフランス顔を、無骨に男らしく合わせたければアメリカ顔をといった感じです。
ちなみに、ドレスなスーツスタイルには相性がよくないのでビジネスや冠婚葬祭、フォーマルな場面ではあまり使わないようにしましょう。
4. コーディネート例
『フランス顔:コインローファー』
③画像引用:Instagrammer News
参考画像③のスタイルはJ.M. WESTONのコインローファーにTOMORROWLANDのアイテムを合わせたコーディネートです。
フランス顔のローファーはスッキリした細身のシルエットでもスッキリ合わせる事ができます。パンツの裾幅も画像のように狭めのパンツでもきれいにまとめることができます。とてもおしゃれです。
『アメリカ顔:コインローファー』
④画像引用:筆者Instagram
参考画像④のスタイルは、Aldenシェルコードヴァン、バーガンディーにLevi's501のデニムを合わせたコーディネートです。
土臭いヴィンテージのデニムにしっかりとハマることと、ジャケットなどのアイテムにも相性がよいことでカジュアルとドレスのミックススタイルを可能としています。
【最後に】
ここまでコインローファーの魅力をお伝えさせていただきました。
コインローファー1つとっても着眼点が色々あることをおわかりいただけたのではないでしょうか。コインローファーの購入を考えている人は是非参考にしていただければと思います。
⑤画像引用:筆者Instagram
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