お願いだ、早くちいかわのくりまんじゅうをくれ
俺にはグッズ収集という趣味は無かった。
フィギュアとか、ぬいぐるみだとか、集めてる人すごいな〜好きなんだな〜くらいにしか思っていなかった。
好きなファッションブランドを買う時もあるが、それはグッズ収集とは呼べないからまた違うだろうなとか思っていた。
そう、あの日が来るまでは…
会社のチームにいるリーダーが突然俺に「ちいかわのくりまんじゅうだ！」と言った。
というのも、リーダーとその横の女性社員の間で、巷で爆流行りしている「ちいかわ」という漫画作品（アニメ化もされてる）の「ちいかわ」と「ハチワレ」をそれぞれ2人でグッズを買ったりしていた。
『ちいかわ なんか小さくてかわいいやつ』（ちいかわ なんかちいさくてかわいいやつ）は、ナガノによる漫画作品。2020年よりTwitter（現・X）にて連載されており、2021年に単行本化。2023年12月現在で、電子版を含め累計部数が270万部を突破している。
左から「うさぎ」、「ちいかわ」、「ハチワレ」。
その社員たちは、他のチーム内メンバーで「ちいかわ」のキャラ付けをしていた。仕事しろよ。
俺を含めた派遣3人に対して、Aさんは「シーサー」（破天荒スタイルなので当時は「モモンガ」だった）、Bさんと俺は「ラッコ」という意味が分からないキャラ付けをしていた。キャラ付けで被るなよ。
そうしたら俺がクロップヘアーにしている事もあり、「くりまんじゅうだ！」になったのだ。
俺の感想としては「楽しそうで何より」だった。
その後、何で手に入れたのかは分からないが、くりまんじゅうのマスコットをリーダーが俺にくれた。PCデスクに飾っているうちに、愛着が湧いてきた。「こいつ、かわいいな…」と。
その後、ちいかわのマグネットが会社の近くのコンビニで食玩として発売されたので、買っていってマグネットがくりまんじゅうじゃなかったら誰かにあげたりしていた。
気付けばそのコンビニで俺らだけ馬鹿みたいに買っていたのですぐ売り切れた。
マグネット購入期間も終わった後、なぜか無性にくりまんじゅうキャラが欲しくなった。
ポツンとくりまんじゅうのマスコットがPCデスクに一体だけだと寂しい。そう思った俺は、気付いたらちいかわのポップアップストアにいた。
そこでくりまんじゅうグッズを探した。意外に無かったが、あったらあったで買いすぎて破産しかけていたので全然良かった。ミラー、キャンディ入れ、マスコット3体を買い、会社に早く出勤しPCデスクに並べた。
反応は良好だった。初めて俺に「キャラ」を付けてくれた、仕事しない2人組に感謝の気持ちも少しはあった。
しかしまだ終われなかった。
もっとだ。この世のくりまんじゅうグッズをよこせ。その気持ちがさらに増幅してしまっていた。
今日、原宿に出かけた。俺の知る限り東京にある「ちいかわ」グッズの唯一の常設店「ちいかわらんど」があるキデイランドに向かうためだ。
中に入るとちいかわグッズを買おうと押し寄せる人、人、人。
混雑した店内でくりまんじゅうを探す。
ちいかわのグッズエリアが固まってるかと思いきや、他の作品グッズも所狭しと点在している為、なかなか見つけにくい商品陳列になっていて、探索は困難を極めた。
ちいかわやハチワレはどうでもいい。俺が見たことがないくりまんじゅうは一体どこだ。
そこでもくりまんじゅうは微かに存在しており、少しを手に持ち会計したら4000円ほどだった。高い。高いよ。
くりまんじゅうのモフモフしてるやつに関しては会社に持って行きたくなかったので、俺の作業デスクに飾っている。
来月は沢山くりまんじゅうグッズを買い占める。
そのために買いたいものリストも作った。
俺のくりまんじゅう欲は止まらない。
そして…
くりまんじゅうをくれ。俺に。
よろしく頼んだ。