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歯をないがしろにしたばかりに

歯のお題がnoteに出ていたのは知っていて、書こうとずっと思っていたのだけど、書けずにいて気が付けば今日が最終日。
やばい、なんか書いておかなきゃと思って、焦っている(笑)
歯マニアとしては、これは外せない。


私は、なによりも歯を大切にしている。
食後のメンテナンスは欠かさない。

歯ブラシ、タフトブラシ、歯間ブラシ、フロスを使う。
歯磨き粉も3タイプを使い分ける。
就寝時にはマウスピースは必須。
口腔内に良いと言われる、ロイテリ菌の摂取もたまにする。

「綺麗な歯だね」と褒められると、とても嬉しい。
ここにくるまでには、長い道のりがあった。



4年前までの私は、歯医者嫌いで、虫歯だらけで、歯並びも悪くて、人前で笑う時はお上品に口元を手で隠していたけれど、お上品ぶってたんじゃない。
口の中を見られるのが恥ずかしかったから。


ちょうどその頃の話が記事にあったので、加筆修正して再掲。


2020年5月ごろ

ある日、左上の歯茎が腫れていることに気付く。
確か、去年もこんな感じでこの歯茎が腫れたことがあって、デントヘルスを買って塗ったなぁと思い出す。
そのときの私も、歯医者に行こうなんてこれっぽっちも考えない歯医者嫌いだった。

洗面所を探して見つけたデントヘルスを、多めに歯茎に塗った。
去年は何度か塗っていたら症状は治まったから、今回もそんな感じでやり過ごせると思っていた。
でも去年と何かが違う。
塗るために鏡の前で口を大きく開けると何やら歯の横に白いものがある。
歯か?
触ると固いので、
「え?親知らず生えてきた?」

翌日になっても治る気配はない。
ロキソニンを飲むが、痛みに対して全く歯が立たない。

夜が深まるにつれ、痛みが増す。
もう歯が痛いのか歯茎が痛いのか上顎なのか下顎なのか、どこが痛いのかもわからないぐらい、痛い。
眠れない。

一睡もできぬまま、仕事へ行く。

「きんにくちゃん、それは早く歯医者へ行ったほうがいいよ。」
と、悶絶している私に同僚たちは言う。
それはわかってん。
だけど50歳にもなって、”歯医者怖いの”と告白することもできず、パソコンでこっそり近所の歯医者を検索する。

歯医者、痛くない、最新

歯医者がトラウマとなっている人間にとっては、痛くないことは大事。

歯医者、どれくらい行ってないだろうか。
35歳の時に右奥歯が銀歯になったあたりから行っていないな。
確か前歯の差し歯を作り直したのもその時だった記憶がある。
でも、いい記憶は全くない。
狭い暗い診察室で、看護師たちは冷たい感じで先生に至ってはあまり説明をしてくれず淡々と処置するような人だった。
何より嫌だったのが、私の首下あたりに器具を置くこと。
横にトレーがあるだろうに、近いし取りやすいから人間トレー(私の首下あたり)を使うのだろうけど、それが嫌で嫌でたまらなかった。
前歯が入った時点で、もう通院を止めたのだった。


あれから15年か。そろそろ覚悟を決めなきゃなと思った。

ドキドキしながら歯医者に向かう。
エントランスに一歩入るとおしゃれな雰囲気に変わる。
待合室には心地よいヒーリングミュージックが流れ、ガラス張りの窓の向こうには中庭が見える。
しかし、洒落てるなぁ、まるでエステかなにかなのかここは。
歯医者に居る感覚がない。
最近の歯医者ってこんなんなん?
物珍しさも手伝って、食い気味にあちこちを見ていたら、名前を呼ばれた。

15年ぶりに歯医者の診察台に乗る。
不安に押しつぶされそうな私に、キレイな歯科衛生士さんは言う。
「ちょっと見せてねぇ、どれどれ」
と言いながら、私の口の中を観察する。


冷たい金属の感触が歯茎に当たった。
「左上のここが痛いの?」

「はい。そこに白いものがあるあたり。これ何ですか?」

「ああ、これね。これはねぇ、歯石よ。シ セ キ。」

ゲッ!親知らずじゃないのか!親知らずかもぉなんて言わなくて良かった。
でも、歯石ってあれだろ?食べかすの慣れの果て?え?歯は磨いてたのに、あんなにでっかい歯みたいなのに成長するわけ?ええ???ええええええ?どうして?超恥ずかしい。うわーーーーーん、帰りたい。

マジであんなでかい歯石が口にあるなんて、やばいやばいやばいやばい。

美人歯科衛生士さんは手早く麻酔をし、歯石を取ってくれた。

そしてレントゲンを撮り、歯を抜くかどうかを話し合っていたけれど、もう私は痛みでどうにでもしてくれと思っていたし、逆に今まで歯医者に行くたびに歯を抜かれ続けた人生だ、もう抜いてくれ!とも思う。

結局、歯を抜いた後、先生はまだ何かを処置していて
「きんにくちゃんさん、見て!ほら!」
と先生は嬉しそうにピンセットに挟んだレバーみたいな赤い塊を見せてくる。(子供か!)

「これはな、歯根嚢胞言うて、膿や。これが悪さしてたんやな。あははは。」

笑ってるけど、笑うことなのかわからない。
でも、先生が笑うし、私もひぇぇぇと言いながらも笑えてくる。


しかし、この日から長い長い歯の治療が始まったのだ。




あれから4年。

4年前、溶けたあごの骨の所に骨を増やして、インプラント手術を2度して、銀歯を白い歯にして。
200万ぐらい投資したw
長年にわたって歯をないがしろにしたばかりに、とてつもないお金が必要になる。
よーく、わかった。
高い勉強代だわw
そのうえ痛い思いしてさ。


でもねぇ、今は快適だ。
人前で、口元を気にせずに笑えるようになったし。
子供の頃からずっと歯に対してのコンプレックスがなくなったのはとても嬉しい。
そして、食べ物を噛める喜び!!
虫歯だから抜きましょう!の時代を生きて来た私の奥歯は、とうの昔に無くって、食べ物を噛むのは前歯とか横の歯だったからねw

奥歯でおせんべいが噛めた時は、感動したなぁ。




口腔内が整っていると、体調も良いしね。



3ヶ月に1度の定期検診は欠かさず行ってる。
いつも歯の状態を褒めてくれる先生。
先生に褒められたいから(笑)今日も歯のメンテナンス、がんばる。






#いい歯のために