GRIS ゲーム感想
一言感想
ゲームというよりも芸術作品と思いつつ、ゲームだからこそ成り立つ芸術
簡単な作品紹介
深い悲しみに苛まれた少女の感情の旅を描いた物語。
色を失い、声を失った少女が不思議な世界の中で旅をし、成長する姿を追う。
UI以外での言葉などは一切なく、少女の旅とその世界を楽しむ作品。
作品感想
このゲームをクリアした時、ゾワゾワと鳥肌が立った。
しかしそれは、ストーリーに感動しただったり達成感などによるものではなく、すごいものを見たということから来ている。
このゲームはそれほどまでに美しく、それほどまでに芸術性のあるゲームである。
既述したように、このゲームでは操作だったりメニューだったりというUI以外に文字は一切登場しない。
つまりストーリーにかかわる会話もなければ説明もない。
あるのはゲームの操作、水彩画のような映像、そして美しい音楽だけだ。
しかしながらそこには一人の少女の感情の旅、成長の物語がきちんと描かれており、プレイ中に何度も感情を揺さぶられた。
似たような感情を抱いた別の作品で言うと映画になるが、2019年に上映された『海獣の子供』。
この映画を観た際「芸術作品を見た」という感想が一番最初にでたが、このゲームでもまさにそういった感想を抱いた。
一つ強調したいのは、「芸術性の高い作品を見た」、ではなく「芸術作品を見た」という感想という点だ。
それこそ、美術館へ行って来たかのような。
そういう意味では、以前フランスのオランジュリー美術館で見たモネの『睡蓮』を見たときと同じ感情なのかもしれない。
こういった感想をゲームに抱くとは今まで思っていなかったが、よくよく考えるとGRISという芸術はゲームだからこそ成り立ったと思う。
もちろん映像であるということは重要なファクターだが、プレイヤーが操作しているという点も非常に重要だ。
ゲームであるがゆえに、視聴者として受動的に少女の旅を眺めるのではなく、プレイヤーとして能動的に少女の旅を一緒に経験する。
少女と一緒に様々な2Dステージをアクションで乗り越え、様々なパズルを悩みながら解決する。
まさしく、少女と一緒に旅をしている感覚になる。
だからこそ、言葉は要らない。
ゲームというところでもう一つ付け加えると、このゲームにはシークレットムービーがあり、これを解放するにはゲーム内で隠されている「形見」と呼ばれるものを全て集めないといけない。
しかもこのシークレットムービーは一気にストーリーの理解度を深めるものなので、色んな所を探索してやっと集めた末の達成感は半端なく高い。
こういった要素もゲームならではと言えるだろう。
終わり
先ほども少し言ったが、正直ゲームという媒体で芸術作品と巡り合うとは思いもしなかった。
様々な機体でプレイできるようで、既に持っているもので気軽にできます。
いつものゲームとは少し違った体験をしたい方は是非購入を検討してみてください。
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