見出し画像

シナリオライターとして意識していること

シナリオライターをはじめてだいたい4年くらい。
改めて、どんな仕事か、意識していることなどについてまとめてみた。

---------------------

◆言葉を分解する

登場人物の発する言葉、行動1つ1つには大きな意味がある。
とある登場人物が発した「かわいい」というセリフ。
この4文字にも、

・登場人物の価値観(とその価値観を生んだ背景、育ちなど)
・この言葉を発したときの周囲の状況
・一緒にいる登場人物との関係性

など様々なものが内包されている。
「かわいい」という言葉はとにかく様々な意味を持つ言葉だ。
なんにでも「かわいい」という人が話題になったりすることもあるが
シナリオライティングにおいてはそういった人がいう「かわいい」にも
上記の要素を考察して意味をこめる必要がある。
言葉のなかにある(特に「かわいい」のように曖昧な言葉)要素を
分解し、コアにある意味を理解すること。
個人的にこの作業が一番楽しい。言葉の意味をきちんと理解できた時は
頭のなかが一気にクリアになった感じがする。

◆捨てる作業

話を考えているとどうしても「あれも」「これも」になりがちだ。
セリフ、シーン・・などなどどうしても詰め込んでしまいたくなる。
そのなかで本当に必要な要素を取捨選択をする。
ストーリー中のテーマからはずれてるものは不要なシーンだが、
もう一つ、自分の判断基準の中に
「このシーンで登場人物の個性が見えるか?」というものがある。

例えばA地点からB地点へ移動することになった人物がいるとする。
A→Bの移動を具体的に見せるかor省略するか。
「移動シーンで個性を描けるかどうか」を考えてみると決めやすい。
その人物が方向音痴で、A→B間を行くにも波乱万丈ありそうなら
描くことで個性を見せることができる。
しかし、そうでなければ移動シーンは不要。
他に個性を見せられるシーンを描くほうがよいだろう。
…と、こんな感じで話を考えたあとは「捨てる」作業をしていく。
あれこれ盛っても結局やりたかったことが伝わらなければ意味がないし、
そうなっては作者、読み手どちらも幸せになれない。

◆様々な生き方に触れる

とにかく様々な考え方、生き方に触れる。どんな人でもいい。
芸能人、スポーツ選手、政治家、歴史上の人物・・なんでもいい。
Twitterで流れてくる顔も名前も知らない人でもいい。
いろいろな考え方、生き方を知り「◯◯だったらこんな時どうするだろう?」と自分が扱っている作品や登場人物に置き換えて考えてみたりす(ここが大事かも)
そうすることで登場人物への理解が深まったり、
思わぬアイデアが浮かんくることもある。
私はこのクセがついてしまっていて無意識的にやってしまっているのだが
日々の生活を常にインプットの場にするのは結構大事なのかもしれない(疲れない程度に)

---------------------

…ざっとこんなことを考えて日々仕事をしている。
他にもありそうだが、思いついたらまたnoteにまとめてみようと思う。


いいなと思ったら応援しよう!