サポートメンバーじゃいられない
正しく、規則的に物事を進めることは、本当に苦手だ。
遅刻が多くて、恋人に愛想を尽かされる。
初詣は3回行ったのに、2018年の振り返りはずるずると長引いてしまった。
その間に紅白歌合戦で昭和が終わり、仕事は始まり、人日の節句も明けて、正月さえも終わっていた。
それでも振り返ることに価値があるので、遅ればせながらまとめてみる。
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端的に2018年を振り返ると、存外「悔しい」1年だった。
なぜそう思ったのか。
備忘録がてら、「何をやっていたのか」まで書くことで、すこし具体的に振り返ることにする。
メインはONFAddというチームでの活動だった。
WEB、マーケ、PR、生産管理など、技能的にまかなっている範囲は多い。だから、客観的にみても、チーム内でお荷物であるとは思わない。もちろん、技能的に不足していることを痛感する毎日であるのだけれど。
個人でも、エンジニアの仕事をしたり遊び呆けたり、新しい本、音楽、映画に触れることができた。
ONFAdd、あるいは個人の遊びを通して、幅広い分野のレベルの高い人と出会うことができた。
世の中が広大かつ複雑であり、面白いことや知らないことにで溢れているのだということを、身を以て実感した。
同時に気が付いたのは、自分がまだ「代替可能な存在であること」。その事実を、水銀で毒殺されるように、じくじくと突きつけられた1年だった。
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さながら、現在の僕はバンドのサポートメンバーだ。
バンドにはいる。けれど、バンドメンバーではない。
メンバーとサポートは、互いに一定以上の価値観を共有し、技能的にもある程度の信頼を置いている。しかし、その間には、細く、果てしなく深い断絶がある。
だから、「彼がいたから助かった」はあるけれど、「彼がいなくては成しえなかった」は無い。
この感覚は、僕個人に特別限ったものではないように思う。そして、多くの人はサポートメンバーで一生を終えるだろうし、誇るべき人生であるとも思う。
バンドにドラムが居なかったら、ドラムパートのある曲をメンバーだけで演奏することはできないのだ。サポートは、そのような多くの不完全なバンドを救うことができる。彼らの作品を世の中に送り出すためには、必要で感謝されるべき存在なのだ。
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それを理解した上で、自分のことを考える。
「とはいえ、僕はいやだなあ。」
メンバーとして、グルーヴを生み出してみたい。
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メンバーとサポートは何が違うのだろう?
個人的に1つの結論らしきものに行き着いた。
「サポートは存在強度が弱い」のだ。
存在強度は、月並みな表現をすれば「個人のオリジナリティの濃度」である。強度が高い人は、固有の「まなざし」を持っている。
それはたぶん、味のようなものだ。滲み出る個性といってもいい。コードが書ける、文章が書ける、とかの上にある「目に見えない」レイヤーだ。
ここのレイヤーが厚ければ厚いほど、「彼としかできない」ことが多いのではないだろうか。
だから2019年は、存在強度をあげることを目指す。
存在強度を因数分解してみると、
存在強度 = 技能の高さ + 経験の濃度
ではないかと思う。
だから、それぞれの変数を高めてあげればいい。なんてシンプルだ。
1.技能の高さ
今の環境なら普通に仕事するだけで、スキルは上がるはず。
大まかな方針は、以下。
・システム面の設計を精度良く、スムーズに実施できるようになる。
・言語化、抽象化、アナロジー。言葉にして伝えるスキルを高める。芯を食った表現を目指す。
アクションプランは、
・情報の整理、整頓、アーカイブの徹底。
・テキスト化するたびに、「本当に正しいのか?」と自問自答する。その習慣化。
・シンプルに「手を動かす」
2. 経験の濃度
厄介なのはこっちだ。どうやって高めるのか、がなかなか難しい。メソッドがあれば、自分探しが流行ることもなかっただろう。
ただ、「世界に対する感覚を鋭敏にすること」と「場数を踏むこと」が近道なんじゃないか、との漠然とした確信があるのも事実だ。
前者は「解像度を高くすること」と換言できるので、こちらも因数分解すると、下記になる。
経験の濃度 = 解像度の高さ × 場数
解像度はどうやって高められるのか。
そのためには、五感を酷使し、研ぎ澄ますしかないんじゃないかと思っている。五感を使う機会を増やし、まなざしを獲得する。
解像度を高めるためにすることは以下。
・ダンス / ランニング、どちらか相性の良い方を1年間継続する。
・文章デッサンを週1回は行う。
・写真を撮り続ける。
・料理をする。
場数のためには以下。
・ONFAddなど、会社の仕事に閉じないで、活動を行う。
都市とか、音楽とか、文学とか、映画とか。そういった類とは、腐れ縁のように付き合っていきたい。
音楽 x 都市については本当に思う。卒業時の研究は、もっと深めることができたら、それなりに面白いものになると信じている。
東京の文化生態系を作り上げるのだ。
今年は、世の中の力を借りて、それも深めたい。
ルポライターになるために。
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ああ、そうだ。やらないことも決めておくことは大事だろう。
・興味がないこと / 格好悪いことはやらない。
たくさん書いてしまった。
長距離を走るように、足を進めるのだ。規則的ではないけれど、粛々と、そして、淡々と続けるのである。
軽薄で瞬間的な印象を持たれがちだけれど、たぶん、僕はそっちの方が向いている。