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消えゆく記憶と共に〜双極症の私と認知症の母の日記〜

私は双極性障害を抱え、母は認知症を患っている。病が進むにつれ、私たちは現実を見失い、自分が誰であるかもわからなくなる。そんな私たちは、まるで鏡に映る存在だ。全体と部分は見方の違い…
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#エネルギー

【第11日】エネルギーの海を泳ぐ

エネルギーの海を泳ぐ 私は双極性障害を抱えており、そのおかげで体内には莫大なエネルギーが渦巻いている。このエネルギーをどう活用するかは、私の人生において極めて重要な課題だ。できることなら、その力をポジティブな方向へ導きたい。だが、もし怒りに任せて使ってしまえば、周囲を傷つけ、社会的な信頼を失ってしまうだろう。 しかし、ふと考える。たとえエネルギーをポジティブに使ったとしても、それは本当に良いことなのだろうか。どんなに膨大なエネルギーでも、無限ではない。使い続ければ、いずれ

【第2日】ミルフィーユのような人生

時折、私は人生はミルフィーユのようだと感じる。何度も生まれ変わり、過去にやり残したことを新たな人生で紡いでいく。その層が重なり合い、深い味わいを生み出すように。 ふと、かつて自殺未遂をした日のことを思い出した。気がつくと、私は精神病院のベッドの上にいた。暴れていたため、手足を拘束されていた。目を開けると、母が静かに私を見守っていた。その瞳には深い悲しみと愛情が宿っていた。 ノーベル賞作家の大江健三郎さんも、同じようなことを語っている。病を乗り越えた彼は、「母がもう一度産ん