デザイン文化の融合 - Awwwards Tokyo参加レポート
世界最大級のデジタルデザインカンファレンス、Awwwardsが日本にやって来た!
昨年春にサンフランシスコで参加して刺激を受けて以来(レポはこちら)各国でのレポートを追ってはいたのですが、今回は初めてのアジア圏での開催。
一体どんなものになるんだろう?と、期待で胸をいっぱいに膨らませ、参加してきました!
Awwwards Tokyo公式サイトはこちら
世界中のデザイナー達とのコミュニケーション
会場には日本中&世界中から集まったデザイナー達がいっぱい。
受付で配られたネームプレートの片隅には日本アニメのキャラクターがランダムにプリントされており、会場の中で同じキャラを持ってる人を探し出すゲームが行われていました。話しかけるきっかけを自然に作れる、人見知りな私にとってはありがたすぎるゲーム!
私がこのカリン様でマッチングしたのはLAで働く、Redbullのデザイナー。
普段の仕事ではなかなか出会うことができない、世界的な企業のデザイナーが多く集まっているのも、Awwwardsならではの特徴です。
日本と世界、デザイン文化の違い
セッションの中で特に印象に残ったのは、シフトブレイン鈴木さんの話にあった、日本と世界のデザイン文化の違いでした。
日本は一人の強いデザイナーが会社をリードするパターンが多く、そのため個々の感覚に任せるデザインが強くなりがち。日本では「空気を読む」という文化があるように、その感覚を読みとっていくことが求められてきました。その結果、エモーショナルな、感覚や感情に寄り添うクリエイティブが出来上がりやすい土壌があるとのこと。
逆に海外では基本チームでデザインすることが多く、メンバーの人種や文化などのバックグラウンドも様々。そんなメンバーみんなが納得行くクリエイティブにする必要がある。
そうなると意思疎通のための説明が必須となるため、ロジカルなデザインが一般的になっていったそうです。
デザインシステムやAtomicDesign理論が海外発というのも腑に落ちます。
感情+ロジック
今では日本でもチームでデザインをする文化が浸透しているように感じますし、デザインパーツそれぞれが理由をもってシステム化されている事例もよく見かけます。しかし、全てのデザインが理屈のみで作られていたら?
Atomic Designや、Design Systemの提唱がなされて久しい昨今。
ふと見渡せばどれもこれも似たようなデザインが並んでいることに対して、Smashing MagazineのVitaly Friedmanさんは警鐘を鳴らしています。
機能性だけを追い求めると、UIは無機質なただのツール。それを回避するには、サイトの中に人がいるように、パーソナリティーを与えることが大事。デザインシステムをうまく使って、左脳と右脳、どちらもバランスよく使った表現にしていくこと。細部のインタラクションやライティングに到るまで、細かく人格を吹き込んで行くことが重要です。
チームカルチャーのデザイン
では、そんなクリエイティブを生み出すチームの文化はどうデザインすればいいのでしょう?
Dropboxのデザインプログラムマネージャー、Michelle Morrisonさんが話した「Culture is how you work, how you feel. - カルチャーは個々がどう働くか、どう感じるかで作られる。」という言葉が印象的でした。
人種、出身、その会社や組織に入るに至った経緯 ー バックグラウンドは人それぞれ。まずはそんな人々が集まるその場所を深く理解し、異なるものをオープンに認め合うこと。
1on1やサンキューカードなどをはじめ、様々なコミュニケーションを通じてお互いの信頼を積み上げて行くことが大事だとお話されていました。
WORK × LIFE
登壇者の皆さんは総じてどなたも自分の仕事に誇りを持ち、楽しんでいるように見えました。
その中でも2日目の大トリ、Leta Sobierajskiさん & Wade Jeffreeさんは、特に眩しく映りました。
二人は夫婦で、仕事も私生活もずっと一緒。
心の底から人生を楽しんでいる二人の笑顔、そして「ポジティブの中に可能性はある」という言葉からは、たくさんのパワーをもらうことができました。
仕事とプライベートをきっかり区切るというのは意外と難しいことです。
実際私もオフの時に仕事のアイデアが浮かぶこともあるし、仕事中に週末のプランを考えることもあります。別段ワーカホリックという訳ではなく、オンオフがうまく溶けて混ざってる状態。
それなら仕事も楽しくないと息が詰まっちゃう。
そのためには、文化も感情もクリエイティブの納得感も全部大事。
ポジティブに働いて笑うための様々なアイデアの種を、世界中のデザイナー達からもらった2日間でした。
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