『未顧客理解 なぜ「買ってくれる人=顧客」しか見ないのか?』を読んだので備忘のためにざっとメモ
読んだのはこちら
『未顧客理解 なぜ「買ってくれる人=顧客」しか見ないのか?』芹澤 連
この本について
未顧客を理解するための本
未顧客を理解し、マーケティング戦略を立てるための視点やスキルを理論や具体的な手段などを用いて解説
自身の購買購入を思い出しながら読むと楽しい
感想
要するに、顧客のジョブを理解しようということだと解釈
図解やケーススタディも多く、読みやすい
重要なポイントは繰り返して様々な表現や例を用いて説明されるので理解しやすい
この本を読んで、パレートの法則にとらわれていたなと気づいた
普段から「ロイヤルティ向上」を意識しすぎて視野が狭まっていたと反省
自身のプライベートでの購買行動を振り返ると、確かに理由は後から噛み締めていることもある
お気に入りのブランドはあるが、モノを必要とするのは確かに文脈や状況によるところが大きい
好きだから買うではなく、買ったから好きになる、は頷ける(星の王子様のバラのエピソードっぽい)
要点
「未顧客」とは
商品を一度も買ったことがない人(ノンユーザー)
年1〜2回程度商品を買う人(ライトユーザー)
未顧客にアプローチする意義
ライトユーザーを取り込むこと(浸透率の上昇)が成長につながる
へビーユーザーは絶対数が少ない
へビーユーザーの購入回数にも限度がある
へビーユーザーの施策、顧客の商品へのロイヤルティを高める施策は(≒離反防止)は効果を感じられる期間が短く、また、理論的にみると収益を大きく増やす施策としては一般化できない
未顧客を取り込むポイント
文脈に応じてブランドを再解釈してもらい、関心を持ってもらう
例:お風呂嫌いな子どもに対して、お風呂を作業ではなく遊びの一つだと捉えてもらうようにする
欲求(きっかけ)→行動→報酬の循環をつくる
未顧客が商品を手に取るストーリーを作ってみる
従来のマーケティングとの比較
未顧客にとって、購入に至っていない商品は「ただのモノ」
データは顧客理解を支援するが、顧客を理解できる手段だとは手放しには言えない
顔が見えない未顧客や販売側が想定していない使い方をしている顧客(コンセプトやペルソナ設定時のターゲット外)こそが新しい市場を獲得するシグナルとなる。そのためのリサーチや分析が重要→文脈の理解
STP分析を用いるとライトユーザーのセグメントに大きな差がみられないので解釈に苦労する→今ある市場の枠を外して展開するべき市場を再定義する必要がある
競合するブランド間において顧客プロファイルは変わらない
競合に対してのポジションではなく顧客の文脈に対するポジションを考えるべき
ターゲットはペルソナではなく文脈(どんな状況で商品が求められる/思い出してもらえる可能性があるか?)
顧客のブランドへの想い(愛や絆、つながり)のシェアや事業成長への影響は小さい
未顧客理解の5原則
再解釈の重要性:商品の存在意義や価値は文脈によって変わる
市場の再解釈:未顧客理解をきっかけに本来戦う市場を見極める
ターゲットの再解釈:顧客はどのような欲求、抑圧、報酬があるのか、行動の背景を理解する
ベネフィットの再解釈:商品の特徴と未顧客にとっての報酬はどんなものかを考える
ポジショニングの再解釈:商品をどう売るかではなく、どうしたら商品が買われる状況・行動が増えるかを考える