13. 谷神は死せず(こくしんはしせず)
女性に産まれて良かったと思えた話
この章は非常に短くまとまっていて、老子の中でもあまり注目される章ではないかもしれませんが、私の中ではかなり響いた章です。
この章では、「谷神は天地の根源」とし、「それは尽き果てることはない」と老子は表現しています。
そしてそれを「女性が者を生み出すこと」で例えています。
そこで私は思ったのです。
それは老子の女性に対する最大の賛辞ではないかと。
まず「谷神」とは、自然の中で静かに存在する神という意味です。
また、「谷」とは、変化や世俗からかけ離れた神聖な場所を表しています。
それを生命のすべての源、すなわち「女性のようなもの」だと言っているわけです。
あくまで例えとして「谷神」を女性的だと言っているのですが、私はその老子の表現から、壮大さやしなやかさ、また上品さなどを感じ、そんな中で不思議と自分が女性であることを尊く思うことができたのです。
そして老子自身も当時から女性に対して自然体の優しさを以て接していたに違いないだろうと想像できたのです。
私は女性差別を沢山経験してきました。
実際、昭和の古い人と接していると、未だに差別的扱いを受けます。本当に本当に悲しいです。
そんな中で出会ったこの老子の「谷神は死せず」を学んだことで、自分が女性であることに対する尊厳がわき、もっともっと自分を大切にしようと思えたのでした。
そして自分への尊厳が湧くと、相手への尊厳も自然と感じられ、男性も女性も人間として等しく尊いものだと思えるようになったのです。
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