心のワクチン、私のご飯

食べる御守り

   私が中学生

  反抗期真っ只中の頃に、
母から受けた印象的な出来事があります。


母や妹によく八つ当たりをした当時
毎日のように妹へ喧嘩を売り、自分が悪くとも絶対に謝ることをしません。

そんなある時、母は私にパウンドケーキを焼きました。

ふわふわで甘くてとても美味しいパウンドケーキには、私の心をほぐしてくれる母の優しさが込められていました。

お腹も心も満たされた私は、途端に罪悪感を覚えなきだしてしまいました。

妹に当たったことを謝らなくては、と。

今まで一切出なかった“ごめんなさい”が口からするりと零れました。
泣き止まない私に母は、

人はご飯を食べると素直になれるよ。それがあなたの本当の気持ちなんだね。


とにこにこしていました。


私の反抗期はここで終わった訳ではありません。

しかし、母の言葉とあのパウンドケーキは、大学生の今でも私をさ支えています。

食べることが心と体を作ること。これを胸に私は食べ物の勉強を続けていきます。

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