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【男性エグゼクティブ編】パニック症状、回復に大切なのは

5〜6年前から、動悸、電車に乗れない、車運転中のトンネルがダメという、パニック症状でお困りの男性が来院しました。仮にAさんとしましょう。
Aさんは経営者でパッと見エネルギッシュな印象です。
精神科や心療内科に行くこと、薬をのむことに抵抗感があり、はり灸院にいらしたとのことでした。

Aさん:鍼へはどのくらいの頻度で通ったらいいんでしょうか?

私:そうですね、ご症状からすると週1くらいが望ましいです。

Aさん:悪いところはさっさと治したいので、詰めて通えばそれだけ早く治ると思ったんですが。。。

しかしパニック症状、回復に大切なのは睡眠・食事・運動、その後に治療です。そして急いで治そうとしないことです。

何故、睡眠・食事・運動が大切なのでしょうか?

まず睡眠から説明します。
寝ている間に体の細胞たちは日中受けたストレスによる傷などの修復をして翌日の活動に備えます。睡眠時間が足りていなかったり夜中に何度も起きてしまったりするとダメージが回復できず翌朝の活動パフォーマンスは下がります。もっというと打たれ弱い状態になるのです。
この方は眠りが浅い、睡眠時間も5時間程度という睡眠の問題を抱えていました。

次に食事です。
パニック症状は、鉄・タンパク質不足から起きることが実はかなり多いです。鉄・タンパク質が不足すると、外部からのストレスに弱くなってしまうのです。これは不安や緊張を鎮めるホルモンの働きが落ちることやエネルギー代謝も滞ることになるからです。
この方は無添加や無農薬などに気をつけていました。しかし鉄を含む食べ物はあまり摂っていなかったようです。

最後に運動についてです。
運動することで血中酸素も取り込まれやすくなり、代謝が上がり血流が良くなります。またメンタルに良い影響を与えてくれる様々な脳内ホルモンも分泌されやすくなります。

以上が、睡眠・食事・運動が大切な理由です。そしてこれらは自分で出来ることです。ここをしっかり実行しながら治療(はり灸に限らず服薬も)を加えることで結果的に回復が早まるのです。

最後の、急いで治そうとしないことは、何故大切なのでしょう?
冒頭のAさんの言葉をもう一度見てみると、
悪いところはさっさと治したいと言っています。それは、この時点で既に自分と自分とがバトルして治したいけど治らない状態です。

脳には計画や判断をする発生学的に新しい理性的な大脳皮質と、喜怒哀楽などの感情や感覚、古い記憶、食欲・睡眠・体温など自律神経を司る本能としてとにかく生きるための脳があります(細かくはもう少し複雑ですがここでは省きます)。ここにはメンタル疾患に陥りやすい性格傾向があってそれに気づくと自ずと回復します。

Aさんの性格傾向として、
「悪いところはさっさと治したい」から、完璧主義や01(ゼロイチ)思考が。「詰めて通えばそれだけ早く治ると思った」から、努力家であることも感じられます。もしかするとこれまでたくさん頑張って努力されて今のポジションを築かれたのではと思います。

一方、体にはそれぞれの生理があります。例えば赤血球が寿命を全うするには120日かかります。何らかの炎症の修復には炎症の度合いにより変化はあるものの1週間から2週間必要です。それをコントロールしているのが自律神経を司る脳。
だからいくら大脳がさっさと治そうとしても体の生理的として必要な時間があるので、いくら頑張って早く治そうとしても思うようには変化が出ません。すると思い通りにならないことがまたストレスとなってしまうのです。

これまでの患者さんの多くは、自分で出来る3点セット(睡眠・食事・運動)を実行しながらはり灸治療を受けると、だいたい1ヶ月で本人談「随分楽になった」が殆ど。ただその良い状態を定着させるには3ヶ月くらいかかっています。

Aさんは、自分で出来る3点セットのやる気満々、実行されるとのことでしたので回復にはだいたい3ヶ月くらいかなと見積もっています。

と言う訳で、パニック症状、回復に大切なのは、質の良い睡眠をとる、鉄やタンパク質を意識した食事を積極的に摂る、1日10分のラジオ体操で良いので運動習慣を取り入れる、その後に循環器に効果的な流れのツボにアプローチするはり灸治療を受ける。そうすると、急がば回れ、で症状が好転していきます。来院された方はこの方法で治療から100%卒業されていきました。

自分はメンタル弱いのか!?とお悩みの方、まずはこの3点セットから試してみてくださいね。

東京日野市で、「誰でも」「無料で」「アートを介して」「自分らしく自由にいられる」月一回の居場所活動をしています。ご興味ある方はFacebook、keyluck_doまでメッセージを。良かったらサポート頂けると嬉しいです。