「クリエイター数・業績で見る成長モデルとは?」メンバーズの事業を深堀りしてみた【後編】|メンバーズのIR note
当社の成長モデルについて、事業を構成するKPIに触れながら解説します。
前回記事では、当社が事業を通じてミッション・ビジョンを実現させるためのグループ共通戦略について、ご説明しました。また、サービスと人材(クリエイター)の側面で当社が提供する価値や戦略についても取り上げました。
今回のnoteでは、前回に続き「メンバーズの事業を深掘りしてみた【後編】」と題し、事業を構成する様々な数字(KPI)について解説します。
決算で開示されている数字をどのように見ればよいか、何のための指標なのかご理解いただくことで、将来の業績成長のために今何を行っており、どれくらい進捗しているかを読み解くヒントにしていただければと思います。
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『DC数 ✖ 一人あたり付加価値売上高』
当社がお客さまに提供する価値の源泉は人材=『デジタルクリエイター(DC)』であるため、クリエイターが最も活躍できる会社をつくることが、長期的な企業価値の向上につながると考えております。
そこで当社では、成長モデルをシンプルに『DC数 ✖ 一人あたり付加価値売上高(※)』と表現しており、この2つの指標を拡大することで営業利益の最大化を目指しています。
※付加価値売上高については後述します。
『デジタルクリエイター数』と『一人あたり付加価値売上高』をいかに拡大していくのか、それらを構成するKPIにもスポットを当ててご説明します。
『デジタルクリエイター数』の拡大がポイント
・採用は好調に進捗
『デジタルクリエイター数』を拡大するためには、言わずもがな、積極的な採用を行う必要があります。これまでのnoteでも何度もご紹介してきましたが、当社ではこれまで新卒採用を中心に採用を行ってきており、新卒採用数は順調に拡大しています。
VISION2030で掲げる社員数1万名目標をやり遂げることは業績成長に必要不可欠です。今後は新卒のみならず中途採用数も徐々に拡大していきます。
・ミッション、ビジョン、コアバリューへの共感度を高め離職率を低減
大規模な採用を行っていても、離職者が多ければ意味がありません。当社では、離職率を低下・低水準で維持し、2030年までに離職率5%以内を目指しています。この水準は業界のみならず一般的にかなり低い水準であると認識しております。
そのために、ミッション・ビジョン採用を徹底して行っています。働くうえで行き詰まったり悩んだりしたときに、「なんのために働いているのか」という会社の目指す姿が根底にあり、それに強く共感する人は、その軸に基づき軌道修正することができます。
ミッションやビジョン、コアバリューへの共感度が高い人材を採用することは、長期的な就業につながり、結果として高いパフォーマンス(お客さまの成果向上に継続して貢献するなど)が発揮されると考えています。
・全クリエイターが参加するワークショップを開催
ミッション・ビジョンの実現に向け、管理職も含めた全クリエイターが参加するワークショップを実施しております。
日々の業務とミッション・ビジョンとのつながりを再確認するとともに、普段は接することのない様々な職種・役職のクリエイターと一緒に学ぶことでモチベーションの高まりにつながっています。
ほかにもクリエイターがいきいきと働くことができるよう、リモートワークの推進、地方採用強化、全員参加型経営推進、CV1.6、その他レクリエーションなど、様々な取り組みを行っています(末尾に一部ご紹介します)。
『デジタルクリエイター数』については、採用が計画通りに進んでいるのか、前年と比べて拡大できているかなどに、ぜひご注目ください。
『一人あたり付加価値売上高』の拡大戦略
成長モデルを構成する「付加価値売上高」とは、売上収益から外注費などの仕入れコストを差し引いた、社内のリソースによる売上を示す当社独自の指標です。
『一人あたり付加価値売上高』は付加価値売上高を『デジタルクリエイター数』で割ることで算出しており、クリエイターの単価をあげることや、クリエイターの稼働率を高めることで、拡大することができます。
・教育投資を行い専門スキルを身に着ける
単価をあげるためには、教育投資を惜しまず行い、クリエイターが付加価値の高い専門スキルを身に着けることが必要です。当社では連結付加価値売上高の2%以上を教育投資に充てることを目指し、特にクリエイターの専門スキルへの教育に注力しています。
専門スキルとは、データやUX、エンジニアリングから、AIやXRなどの先進技術であり、それらを扱う専門特化型カンパニーをこれまで10数社立ち上げてきました。専門特化型カンパニーは、デジタルマーケティング運用などのWeb運用支援を中心とする主要カンパニーと比べ、『一人あたり付加価値売上高』がより高い傾向にあります。
専門領域への教育を行うことでお客さまへ提供できる価値を高め、単価の向上に繋げたいと考えております。その結果、お客さまの需要が高まると見込まれるWeb運用以外売上比率を高めていきます。
・営業強化、専門特化型カンパニーの拡大で稼働率を高める
2022年10月に営業体制を強化すべく刷新しました。新規のお客さまを獲得することに加え、既存のお客さまに対して当社が支援できる領域を拡大できるよう、新規案件の獲得に注力しております。
加えて、専門特化型カンパニーの社数(専門領域の種類)やそこで働くクリエイター数を増やすことで、稼働率を高められると考えています。
『一人あたり付加価値売上高』については、教育投資ができているか、専門特化領域のクリエイター数や一人あたり付加価値売上高が拡大できているか、稼働率の推移などにもご注目いただけたらと思います。
そのほかの人材戦略についてご紹介
冒頭に申し上げた通り、当社の価値の源泉は人材です。最後に、クリエイターがいきいきと働けるように当社が取り組んでいる施策について、ご紹介します。
・多様な働き方で、男女ともに活躍できる環境を
今後一層、『デジタルクリエイター』の質や数を確保することが難しくなると考えられる中で、女性、地方など多様なクリエイターの活躍の場を飛躍的に増やしていきます。
2017年下半期には女性管理職比率が30%をこえ、2021年にはクリエイターの女性比率が45%まで高まるなど、女性の働きやすい環境を整えるとともに、男性にもより働きやすい環境づくりを以前より進めています。
例えば、男性の育児休業取得を推進しており、2021年度(2022年3月期)には男性社員の育児休業取得率が64%となり、2025年度の政府目標である30%を大幅に達成しています。
・Creator’s Value 1.6(CV1.6)
VISION2030における重要施策の「Creator’s Value 1.6」は、『デジタルクリエイター』の社会的地位を向上させるため、2030年にクリエイターの報酬を2020年比で1.6倍に引き上げることを目指す取り組みです。
クリエイターの報酬の原資はお客さまからの売上、つまりお客さまへの提供価値の対価です。クリエイターの報酬を向上させるためには、いかにお客様への提供価値を高められるかが重要であり、これまで述べてきた、稼働率を高く保つことや、新しいテクノロジーや高付加価値領域にチャレンジすること、お客さまのビジネス成果を高めることが重要です。
こういった事業上の取り組みを推進することで、『一人あたり付加価値売上高』や生産性を向上させ、クリエイターの報酬水準を高めるとともに、社会的な価値も高めていくことを目指します。
ちなみに、1.6倍は日本のIT人材の平均年収と欧米のそれとの差が1.6倍あることからきており、クリエイターの価値を欧米並みに引き上げたいというおもいが込められています。
編集後記
今回はメンバーズの事業を深掘りしてみた【後編】として、当社の成長モデルについて、KPIに分解して説明しました。これらのKPIを継続して見ていただくことで将来成長に向けた投資がなされていることがわかると思います。
今回の前後編記事を通して、メンバーズの事業への理解を一層深めていただけますと嬉しいです。
今回の記事のほか、当社のことを知っていただく入り口となる記事は『メンバーズを知る』マガジンにも揃えております。ぜひ併せてご覧ください!
最後までお読みいただきありがとうございました。
(担当:中島)