コーポレートベンチャーキャピタルCVCの実務 vol.13『投資判断の方程式』
【即戦力となる実践的な考え方とテクニックが学べるnote】
(⚠有料化を検討中の記事)
『足を引っ張る大企業』『ベンチャーを支える大企業』どちらになるかはCVC担当の腕次第。
前回記事vol.12はこちら。
③テクノロジーに理解がない
〚 誰が言ったか?に重きを置く 〛
①直接説明してもらう
②セカンドオピニオン
③世界の活用例を共有
③世界の活用例を共有
まったく新しいテクノロジーを除けば、大抵の場合は先行事例を見つけることができます。
特に海外ベンチャーがすでに同様のテクノロジーを活用している事例は多く、さらに事業実績が出ている場合はとても説明がしやすいです。
テクノロジー活用が具体的にどのような影響を事業に与えているのか?というリアルなイメージを持てるのでテクノロジー理解に対する納得性はかなり高まります。
ただし、ここでも注意すべき点があります。
事業環境は国や地域によって異なりますから、同種のテクノロジーを活用して同様のビジネスを展開しても成功するか、というとそうではありません。
外部環境や与件との兼ね合いですから、海外で成功してるから日本でも投資価値がある、というわけではありません。
テクノロジーというなんだかよく分からないモノの理解をする過程では、よく論理が飛躍して、技術力が高い=事業成功確度が高い、みたいになることがあります。
これはテクノロジーにリテラシーのない事業会社が陥りがちな罠ですから、論点から反れないような運びをする必要があります。
稀にですが、事業会社のテクノロジーリテラシーの低さを逆手に取って、「よく分からないけど凄そう」と思わせるようなプレゼンをするベンチャーと出会います。
例えば、人工知能と言っても統計手法に毛が生えたレベルからディープラーニングまで技術力は様々ですし、事業内容によっても人工知能の活用方式は変わります。
事業会社としては、人工知能と名前を出せば食いつくようではいけませんし、人工知能技術の素晴らしさが分かったからと言って無条件で投資決定をしてはいけません。
テクノロジーとはいえ、事業視点から見れば、費用のうちの一つです。
売上に対するテクノロジーコストのバランスなどを見極めながら、儲かるビジネスモデルかどうか?という視点を忘れてはいけないと考えています。
〚 まとめると、こう 〛
①顧客の顔が見えてこない
実際の顧客の声を拾うか、自らがサービスを使って対象のベンチャービジネスに確かなニーズがあることを確認する現場視点が必要である。
②事業の仕組みが分からない
ヒト•モノ•カネ•情報といった経営資源の流れを捉えて、手残りいくら残るのか?という「儲かる構造」を明らかにしていく必要がある。
③テクノロジーに理解がない
権威性のある情報をインプットしてテクノロジー理解を深めてもらいながら、技術力ありきではなく、あくまでも事業視点で評価する目を持つ。
〚 おわりに 〛
全13回に及んだ『投資判断の方程式』ですが、日本、特にリテール業界ではまだまだスタンダードにはなっていないCVCの本当に基礎の部分になっています。
投資スタイルは千差万別なので、最終的には自分なりのスタイルを定着させていくとは思いますが、ぜひこの記事からも参考となる要素を読み取っていただければ幸いです。
CVCの実践ノウハウはファイナンスやマーケティング、戦略立案、組織管理、リーガル、などなどトータルの経営力向上に直結しています。
これからも経営力を高めることを目的として、コーポレートベンチャーキャピタルの実務に関する記事を発信していきたいと思います。
それでは、また。
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コーポレートベンチャーキャピタルCVCの実務
『投資判断の方程式』
vol.1
https://note.com/mem_yu/n/ncf37cb4ada05
vol.2
https://note.com/mem_yu/n/nbbd472dec8bc
vol.3
https://note.com/mem_yu/n/n32aa50231a8a
vol.4
https://note.com/mem_yu/n/nd86d604f9842
vol.5
https://note.com/mem_yu/n/n639780b736b2
vol.6
https://note.com/mem_yu/n/nb5c8c15a0164
vol.7
https://note.com/mem_yu/n/n9570146d37a5
vol.8
https://note.com/mem_yu/n/nb534145dc753
vol.9
https://note.com/mem_yu/n/n66d7873d089d
vol.10 https://note.com/mem_yu/n/naef18b63679f
vol.11 https://note.com/mem_yu/n/n4a865c418f09
vol.12 https://note.com/mem_yu/n/na485ea34173d
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vol.53