たまごの国

卵管広すぎてお前死んだ
てろんてろんのぷろげすてろん
てへぺろん
いのちっぽくって気色わるい湿気
胎内に充満してカビだらけ
むせる
むせるたび波打つ羊水
用水路に跨って
パンッ!
と、水破れる
たまたまゴミ捨て場で見かけただけ
置き去りにされて腐卵臭放つたまごたまごたまご
滑って潰せない
喰い荒らされた使用済みナプキン
私の花びら散って、
血、固まる
変色する前にはやく、漂白剤
買おうと手に取り、落として、
地、白ける
洗っても洗っても甘ったるい苺のジャム瓶

大きくなった私

苺殖えすぎた
それでもここしかないから
腐ったつぶつぶ一つずつ潰す
ブスな顔した苺色
鬱くしすぎて逝きそう
癒えかけた傷口
ひらいて
注ぎ込んだ精神外傷

あの子の腕は真っ白な布
欄干に括った包帯
あの子の身体ぶらぶら
ブチッ!
と、切れて
数日後
ぶよぶよになった身体
どこにでもあるママのたまご
みたいに
てろんてろん

蝕んだこころ
やがて膿み、そして還る

産みたかった本当は
なんて
水子が知ったらお前を殺すかもしれない

子宮をノックする音
ごめんね
ママはいま
一生分の目玉焼きを作っているの。。。。。

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