花弁

花びらが散りゆく
君はそっと手を上に
ひらひら落ちる君の中
その横顔に心奪われて
今日がそっと幕を引く

一日が一瞬に感じた日
一生が切なく感じた
握った手は温かい
君を見て前を見た後
鮮明に聞こえる雑音を
かき分けて君との距離を縮めた

今日の終わりが最後なんて
信じたくなくて
今度は映画に行こうとか
一緒にご飯行こうなんて
叶いもしない口約束
君は少し手を強く握った
僕は少し下を見ながら握り返した


花びらが散りゆく
君はそっと手を上に
ひらひら落ちる君の中
そこに落ちたのは僕で
今日は何より綺麗な日

一日が短く感じた日
一生この日を忘れない
握っていた手は温かい
君と離れて振り返った後
鮮明に聞こえた雑音が
止まって君が遠ざかるのが聞こえた

今日に終わりがあったなんて
信じたくなくて
伝えたかったこととか
渡したかった最後の手紙とか
全部そこに置き去りで
花びらが優しく積もった
僕は下を見て手を拾いあげた

花びらが散りゆく
君はそっと手を上に
ひらひら落ちる君の手の中
僕の手に優しく乗せた
風が吹いて飛んでいった

その花びらを2人で眺めて

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