#23 親の前向きな姿勢が子供に与える影響 ~障害者就労施設の訪問日記④~
MelonPapaです。発達障害の4歳の息子との生活を通して感じたことや見聞きしたことを発信しています。(自己紹介はこちら)
これまで何度かに分けて障害者就労施設の訪問日記を書いてきましたが、今回で過去に訪問した分は最後になります。
立ち話から急遽施設見学をさせて頂けることに
訪問したのはお菓子を製造、販売しているお店です。こちらのお店はお子さんが障害をお持ちのご夫婦が立ち上げたお店で、WebサイトやSNSを見て非常に共感したので、息子が療育施設に行っている間に妻と2人で訪問してみました。
訪問した日は、元々は実際に店の雰囲気を見て、商品を買ってみようという程度のつもりでした。ところが、訪問した際に偶然お店を立ち上げたご夫婦が接客してくださり、私の息子の事情を話したところ、それなら是非施設の中を案内するよ!と話がとんとん拍子に進み、急遽施設の中まで見学させていただきました。
この施設では、障害者の方々はお菓子の製造と梱包の仕事をしていて、障害の程度に応じて作業の役割分担をしているとのことでした。驚いたことに、案内してくれた方が「施設を見学しに来てくれました」と私のことを紹介すると、「こんにちは!」と皆さん声をそろえて挨拶をしてくれました。基本的には黙々と作業をしているのですが、必要に応じて会話があって、全体的に明るい雰囲気が感じられました。また、私の息子と同じ自閉症の方は、「袋への梱包は自分が一番得意だ」と自負しているとのことで、任された仕事にプライドを持って取り組んでいるのは素敵だなと思いました。
「親が前向きであるのが一番大事だよ」
見学の途中に、ふと、ご夫婦から「息子さんの障害を受け入れられていますか?」と聞かれました。私も妻も受け入れて、前向きに考えられていると答えたら、「それが聞けて良かった。障害を持つお子さんにとって、親が前向きであることが何より大事なんだよ」とのことでした。
ご夫婦は店を立ち上げてから自分のお子さん以外のたくさんの障害者の方々と接して、働いてきて、「この子はご両親から愛情を注がれていなかったのかな?両親が障害を受け入れられなかったのかな?」を感じることがあるそうです。それは、ご両親と話して感じるのではなく、障害者本人と接して感じるそうです。自己肯定感が無いというか、明るくないというか、言葉で表すのは難しいけれど共通するものがあるそうで、実際に仕事のパフォーマンスにも影響するんだそうです。
「だから、是非これからも息子さんに愛情を持って接してあげて欲しい。極論、それだけで十分なんですよ。」と最後にお話ししてくださりました。
店の見学自体ももちろん良い経験だったのですが、ご夫婦とお話しできて本当に良かったです。ご自身のお子さんも障害を持っていて、お店の経営を通してたくさんの障害者の方々と接しているご夫婦の言葉はどれも説得力があり、心に響きました。療育はどうするか?小学校はどうするか?といった具体的なことについてはインターネットに情報はたくさん載っているけれど、そういったことよりも、根本的な障害に向き合う姿勢が本当は一番大事なんだと思いました。私が店で感じた何となく明るい雰囲気というのは、もしかしたら、ご夫婦が障害者スタッフさんに日々接する姿勢から自然と醸成されたものなのかもしれないな、と思いました。
今回は以上で終わります。最後まで読んでいただきありがとうございました。