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外国人観光客どこかしこ

 コロナ騒動が収まり2023年あたりから外国人観光客の姿が
どこかしこにあって,すっかり見慣れた風景になってきました。
電車に乗っても各車両ごとに当たり前に外国人のグループを見掛けます。
 
 統計を見ると2015年位から年間2千万人に達するようになり、
その後2018年から3千万人を越える勢いがあったようです。
インバウンドや爆買いという新しい言葉がすっかり定着してゆきました。
それが2019年から始まったコロナパンデミックが起きて急降下し、
終息し始めた2022年、2023年から再度、噴き出すように2千5百万人に
回復しています。

この我が国への人気の背景に何があるのでしょうか。
 
 すれ違う外国人観光客の様子を見ると、
ゆったりと緩んで微笑んでいて、旅を愉しんでくれていると
思うと誇らしくなります。
移住して40年以上もアメリカに住んでいる友人が帰国して
話していました。
「日本の入国審査が終わって一歩外に出ると、重い鎧をみんな
脱ぎ捨てて気軽な気分になれる。
そしてアメリカに戻るとその鎧をまた着直して生活するんだよ」
 
 日本という社会には、銃もドラッグもなく、極端な貧富の差もなく、
人種的偏見も反抗的な無謀運転もごく少ないなど、
当たり前の日常は世界の現状からすると珍しいことのようです。
 
 車が通っていなくても、歩行者は横断歩道の信号が赤なら止まるような
生真面目さとか、電車が一分遅れただけで、謝罪のアナウンスが流れるなど、遵法精神が各所で行き届いていて、外国人はこれをやり過ぎだろうと
最初は笑います。
それでも来日してしばらくすると、安全で正確な社会の仕組みを理解して
快適だと感じるようになるようです。
海外旅行は、好奇心をくすぐる冒険をしたいとか、
異国の違和感を愉しむという気持ちはあるものの、
身の危険や損害にあうのはご免です。
その意味で日本はゲートを入ったら、お楽しみだけを追いかけられる
ディズニーランド遊園地のような感覚なのかもしれません。
 
 山梨県ではコンビニ越しにそびえる富士山の写真が有名になり、同じように撮影しようとして危険な車道に入り、地元のドライバーさんたちに迷惑を掛けているニュースを見ると、正になんでも許される遊園地感覚なのだと
思わされます。
 
 さて、どうして日本が人気の観光地として世界に名を馳せるようになったのかと考えると、調査や統計がネット情報として世界中に繋がり、
各国を比較して楽しくて、安全で、おいしい食事ができるという条件で
探すと「日本」という答えが出ているようです。
その上現在は、円安で割安感が後押しし、先輩観光客の口コミで
瞬く間に広がり初心者観光客は「行くっきゃない日本」ということに
なるのでしょう。
 
 飲食店の格付けミシュランの星の数が多い都市ランキングでは
いつでも日本の都市が上位で、トップ5の都市の内3カ所が
独占することもあるくらい日本の食事のクオリティは高いようです。
ラジオを聴いていると、イギリスの有名な音楽家が日本の旅の話を
していました。
インタビュアーが「日本の料理で何が一番好きですか?」と尋ねると
「インポッシブル!」と叫びました。
Impossible・不可能とはどういう意味だろうかと
耳をそばだて聴いていると、おいしい料理が多すぎて、
一つに決めることなんかできっこないよ!という叫びだったのです。

 観光客たちの行く先の元ネタにしているだろう国別ランキングを
調べてみると、あるわ、あるわ、色々な角度で各国を
ランキングしたデータがありました。
・世界で最も強い国2020年 1位アメリカ、2位ロシア、3位中国、
 日本は7位
・地球上で最も軍事力のある国2022年 1位アメリカ、2位中国、3位ロシア
 日本は8位
・世界幸福度ランキング2023年 1位フィンランド、2位デンマーク、
               3位アイスランド
 日本は62位
・世界平和度指数ランキング2023年 1位アイスランド、2位デンマーク
                 3位アイルランド
 日本は9位

ここからが重要!日本がトップ3に入るランキングは以下の通りです。
・世界最高の国2020年 1位スイス、2位カナダ、3位日本
・世界で最も魅力的な国2023年 1位日本、2位イタリア、3位ギリシア
・世界で一番賢い国2019年 1位日本、2位スイス、3位中国
・未来の国としてのブランド力2019年 1位日本、2位ノルウエー、
                  3位スイス
 
更に極めつけは、国家ブランド指数2023
 世論調査では世界最大といわれる会社 イプソス株式会社が2023年版
「アンホルト-イプソス 国家ブランド指数(NBI)」を発表しました。
 
日本が国家ブランド指数始まって以来、初の首位に選出されました。
これはアジア太平洋地域の国として初めてのことです。
60カ国を対象に国家ブランド力を評価するグローバル調査で
「輸出」、「ガバナンス」、「文化」、
「人材」、「観光」、「移住と投資」という6つのカテゴリに
関する認識を調査することで国家のブランド力を測定しています。

・日本は「製品の信頼度」と「他のどの場所とも異なる」という点に
 おいて、1位を獲得しました。
・「製品の信頼度」に関しては、1位日本、2位がドイツ、3位は米国
・「他のどの場所とも異なる」に関して、1位日本、2位はエジプト
                   3位はイタリア。
総合して1位に輝きました。

 日本は2019年に5位、2020年に4位、2021年に3位、2022年に2位と
着実に順位を上げ2023年、ついに6年連続で首位をキープしていた
ドイツを抜くという快挙を果たしました。

 この結果についてこの調査の最高責任者のサイモン・アンホルト氏は
以下のようにコメントされました。
「日本が今、地球上で最も称賛される国になっているという事実は、
長らくドイツと米国のポジションに到達した最初の国であり、
世界のソフトパワーバランスが目の前で変化していることを
裏付けています。
新しい秩序の時代、2023年アンホルト-イプソス 国家ブランド指数は、
アジア世紀が幕を開けた最初の紛れもないサインです。」
 
 我が国がここまで高く評価されるようになっていることを
全く知りませんでした。
日本人の奥ゆかしさからでしょうか、マスコミでもあまり
取り上げられていません。
それでも、嬉しい結果は素直に喜び、
更に良い国にしてゆこうという
「新たな力」にしてゆくのが
素直で良いのではないでしょうか?
 
  
 

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