『リカバリー・カバヒコ』読了。人生には、リカバリーが大事な時期がある。
『リカバリー・カバヒコ』 青山美智子 光文社刊
一気に読了です。
感想を書いてみます。
う〜、、、、
正直言っていいですか??
とっても、身につまされました〜( ; ; )
ものすごく、主人公と一体化してるような気持ちになって、読んでいました。
これが青山マジックなのか!?
この本では、郊外にあるマンションに住む5人の住人が、それぞれの悩みと向き合って、公園のカバヒコに触れて、人と人に揉まれながら、自分の傷を治していく、そんな5つの短編の、再生の物語です。
どの話も、主人公の揺れる気持ちがよくわかりました。
たとえば、
私はママになったことはないのに、ママ友との付き合いに悩み、動揺し、どうなるのかとドキドキしながら読んだ元アパレル店員のお話、『第2話 紗羽の口』。
ママ友グループとの気が進まない“お茶”を断れず、全く悪くないのに言いがかりを言われてこちらから謝ってしまったり、娘がいじめられないよう自分を抑えて行動する紗羽の動揺が、心臓の音までこちらに伝わってくるようで、私まで胸が苦しくなりました。
そんな中で、幼稚園のバザー行事がきっかけになっての思わぬ展開に、、、。
そして『第3話 ちはるの口』
職場でのストレスから、耳管開放症になって急に休職することになったちはる。
なんせ私が去年仕事を辞めたきっかけが、低温感音型急性難聴という耳の病気だったので、似てる、と思いました。
ちはるさんの耳の症状も、すごくよくわかって、先が見えない病気に気を揉んでしまう件なんて、ほんと共感。
仕事をしていない自分に負い目みたいなものを感じるのも、共感。
私もあった、あった〜、と思いながら読んでました。
そんなこんなで、主人公たちの苦しみがリアルに伝わってきて、身につまされるような感覚に何度かなりました。
それでも、
それぞれの主人公が、人とのかかわりと、公園のカバのアニマルライド“カバヒコ”のおかげで、光を見つけて少しずつ突破していくんです。
それが、なんともいいんですよね〜。青山ワールドならではの、“希望”が湧いてくるんです。
公園のアニマルライド、カバヒコに触れると治したいところが回復する、だなんて。
カバヒコの存在は、ちょっとファンタジーにも思えるけど、それでも、いるんじゃないかな?
私たちのそばにもカバヒコみたいな存在が。
私はよく、公園の木とか、大きな木に話しかけてますが、それもカバヒコみたいな存在の気がしました。話はできないけど、聞いてくれてるような気がする存在。
本の帯に『誰もが抱く小さな悩みにやさしく寄り添う青山ワールドの真骨頂』、とありますが、まず私は“小さな悩み”とは思えませんでした。結構な悩みだと思いました。
そして、“やさしく寄り添う”は、本当だ!と思いました。
自分を大切にすることを忘れてしまった人に、とても寄り添ってくれる本だと思います。
そう思える『リカバリー・カバヒコ』でした。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。
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