ふと思い出したあの夏の記憶
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8月10日
地元に帰省し、
カエルやキリギリスが鳴く夏の夜の道を
散歩している時
ふと懐かしい
緑色の稲穂の香りがした。
私にとって夏の香り…というのもそうだが、これから来る秋の訪れを感じる香りでもある。
この香りと共にある夏の日の記憶を思い出した。
それは夏休みの朝、ラジオ体操の思い出。
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朝の6時半前
住宅街の合間縫った先にある
小さな用水路を飛び越え、田んぼの横にある細い道を通りラジオ体操に行っていた。
今思えば通っていい道だったのかは定かではないが、あの頃の私にとってそこは、
“ラジオ体操に行くときだけ私たち小学生だけ使える秘密の道”
だった。
通常のルートと比べ距離も変わらないため、近道でもなかったが、近所のお姉さんたちに混ざって“秘密の道”を使うと、
ちょっと大人になった気分でなんともいえない特別感があり、よく皆の後ろについて歩いていた。
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ラジオ体操の前に流れる
『今日は〜市の〜の皆さんと~!…』という男性のアナウンスを聞いて
いつか私の街に来るのかな~と考えていたこと、
ラジオ体操カードに貼ったぷくぷくの立体シール。
私をお姉さんの気分にさせたお花がついたヒールのサンダル。
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忘れてしまったことさえも忘れている、あの頃の記憶は自分の奥底に残っている。
無理やり引き出そうとするとなかなか出てこないけど、“緑の稲の香り”がきっかけで鮮明に蘇った。
全部なんでもない普通の日常の出来事だけれど、
なんだか心の中があたたかくなった。
これから先、ふとした瞬間にこうした記憶が思い起こされるかも…と考えると、不安なことでいっぱいの未来も少しだけ楽しみになる。
次はどんな記憶に出会えるんだろう!
✳︎この記事を書いた人✳︎
imaka ... バムとケロに出てくる『いまちゃん』が好き。もちろん今川焼きも好き。
暑い夏もなんだかんだで好き。