なにがスマホゲームたりえるか。



スマホにゲームを大量に入れてはアンインストールをしている今日であるが、これを読んでいるあなたは何をプレイしているだろうか?
むしろ、遊んでいるゲームはどういった流れでインストールしたいと感じただろうか?

この文章は企業研究の一つであり、稚拙ながら私がこれまで経験したゲーム体験を記録するものである。偉そうにごめんなさい。

PCやコンシューマーではリソースを大量に用いてじっくりとつくれるので、それだけ大規模かつ時間をかけてでもいいものがつくれる。
PL側も時間をかけてプレイできる(腰を据えられる)ので、ストーリーを読みつついろんなところを巡る体験が得られる。
しかしながら、スマホゲームの醍醐味は、それとは真逆の、「いますぐおいしいところだけを食べる」という点である。

ところでスマホゲームのランキングで上位にあがるのは、いわゆるオタクコンテンツといわれるようなアニメやマンガテイストのキャラクターが登場するとは限らず、むしろゲーム性に凝った、ESports系のものや癖になるようなスタイルのものが主流である。そんな中で「キャラゲー」が売上上位にいくのは、キャラの魅力(声優や絵師含む)だけではなく、むしろ純粋なゲームの性質がよくできているものだからであろう。


ぼくのかんがえた最強のスマホゲーム(結論)


個人的にはかわいいキャラがいればそれでよいが、ランキングを見る限りだと以下のものだと考えられる。


・UIが見やすい

・ルールがわかりやすい、かつガチャで強いキャラ(orアイテム)を引く以外の要素がある

・ローカライズ(多言語対応)がちゃんとされていて、日本だけをみていない

・ストーリーはおまけでしかない。強みはそこではない。

・単純なつくりのものは強い


・UIが見やすい


言わずもがな。見やすいということはそれだけで正しい。
対極の話をするが、UIが見づらい原因は、一つの画面にものをつめこみすぎることである。人は情報量が多いとパニックを起こすので、それだけでストレスに感じるのだ。
つまり、見やすいということは情報量を絞るということである。画面いっぱいにガチャの広告を敷き詰めても、引きたくなるわけではない。


・ルールがわかりやすい、かつガチャで強いキャラ(orアイテム)を引く以外の要素がある


後述のつくりが単純ともかぶるが、わかりやすいということはゲームにおいて重要である。ルールが複雑になるとしても、根っこは単純なものだ。相手より強ければ、速ければいい。戦術と戦略の違いなどもあるだろう。内容にもいくつかあるので、ゲームプレイの二極化の流れを以下にまとめた。
いわゆる、「これだけやればお前は強くなる」と「かぎりなくお前の時間を奪ってやる」ゲームの二極にわかれているという点である。


・これだけやればお前は強くなる
これはいわゆる放置ゲームやAutoが充実しているゲームで、スマホゲームが正当に進化していった状態なのではないだろうか。
課金制度はいままでどうりあり、キャラゲーやアイテムをひいて強くしていく、そういうものである。

・かぎりなくお前の時間を奪ってやる
これはウマ娘や原神といったある程度リソースが重厚でかつシステムとしても育成に時間がかかるものを指す。
これが可能になるのはスマホがどんどんハイテク化、大容量になったからである。また、内容的にもかつてのPC、コンシューマーにあったようなものが多い。原神などはPCでもスマホでもできるなど、クロスプラットフォームは普通になりつつある。
また、大体ゲームの容量が多く、いろんなゲームをしたい人間にとっては、常に遊びたいゲームを選びながら泣く泣くゲームをアンインストールするということもある。そういうわけで、このスタイルのゲームは、大体どれかを選んで突き詰めていくことになる。


・ローカライズ(多言語対応)がちゃんとされていて、日本だけをみていない


日本のゲームでありがちであるが、日本向けにつくられていて、海外勢には振り向かない。今まではそれでもいいかもしれないが、日本にそのような力がない昨今において、かなり時代錯誤だろう。
たとえば英語、中国語に対応するだけで、何十憶にも跳ね上がる。売上を単純に考えるなら必須である。


・ストーリーはおまけでしかない。強みはそこではない。


ゲーム自体にもっと強みがあるでしょう?そこを紹介してほしい。


・単純なつくりのものは強い


生き物でもなんでも単純なものは生き残りやすいものである。ただし、これはレッドオーシャンな気もする。

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AppStoreのランキングにみるゲームの例


なお、例としてあげているゲームはAppStoreストアから選んだもので、順位が上の順番で書いている。(2021年5月現在)
ただし、順位には変動があるため、順位が上か下かでそのゲーム自体の良し悪しを論ずるべきでないことに注意。


例:ウマ娘


2021年当時主流の「ウマ娘」もただ女の子を育ててレースに勝つものではなく、本質である競馬の「良い馬を掛け合わせて最高の馬をつくる」という体験を兼ねているからである。決して課金をして強いキャラを引けばそれだけで強くなるわけではない。また、「より速く強いウマ娘を育てて自分も一緒にレースに参加した気になり、優勝することでカタルシスを迎える」という体験は、育てるという何か根源的なところにうったえかけているように思える。かつてこうしたキャラゲーはごまんとあったが、ガチャでいいものを引いてさえいればよく、それは同時に飽きとの戦いでもあった。

育てる、という一手間で飽きさせず、「メジロマックイーンいけ、メジロマックイーン勝て」と愛娘に接するような愛情でもって、「俺がそだてた最速のウマ娘」をレースに出すことができるのだ。かつ、ゲームルールとして根源的な「走ってお前が速ければ勝ち」というわかりやすいもののため、難しいことを考えなくてよい。速ければいいのだ。

そういうわけで、単なるガチャ、PayToWinをしていればいいかといえばもうダメな時代なのだろう。


例:原神


原神自体はTop10より落ち30位ぐらいに落ちてはいるもの、どちらかといえば他が上下動しているためにそのためにその位置にいるのであろうと考えている。

ゲーム性自体はいわゆる王道のRPGかつ、キャラゲーである。双子の男女のどちらかをえらび、出会う仲間を選んで育て、敵に立ち向かうものだ。
課金、いわゆるガチャはあるし、露骨なPayToWinではある。他のゲームとの比較で思いつくことは、たとえ強いキャラを引いたとしても、
「お前の操作が弱ければキャラも弱くなるし、お前の操作が強くなればなるほどキャラも強くなる」というわかりやすいルールだ。

主人公キャラが弱いと感じたとしても、他のキャラを組み合わせて戦うことでさらに強くなる。マルチでフレンドとの共闘も可能であるが、基本的には一人ないしは二人などでの技を組み合わせて元素を反応させ、それがより強い攻撃を可能にする。さらに武器を強くし、キャラ自体も強くし、と自分が強くなっていく感覚を得られる。また、街や野外に繰り出してみれば、動植物、モンスターなどと遭遇し、それらが息づいている。

いわゆる冒険の原体験を得られるが、これらはいわゆる前述の「いますぐおいしいところだけを食べる」ということではなく、むしろ昔ながらのものである。こうした体験をかったるいと断じられればそれまでであるが、こうした冒険といえる冒険がなくなってしまった昨今においては、むしろ新鮮なのである。

また、原神は上海の会社が立ててローカライズされて日本に入ってきてはいるため、いわゆる中国バッシングの一部として「叩かれる」ことはままある。ある意味では中国国内という閉鎖環境で流通されていれば叩かれなかったのかもしれない。

しかしながら、逆に問おう。いまの日本の会社にこのRPGより面白いゲームを作れるだろうか?

これからも海外製で、かついままでの日本が得意とした「キャラゲー」が日本にやってくるだろう。日本は負けてはいけないのだ。


例:アークナイツ


これも中国産のゲームであり、タワーディフェンスゲームのゲームである。筆者自体はあまりこの手のゲームをやらないものの、やはりゲーム性に魅力を感じたため、上げさせていただいた。もちろんプレイ済みである。
アークナイツは完全にソロのゲームである。PVPやギルドなどの機能がなく、キャラを集めて育ててマップを攻略していく......。
ここまでだと誰でもやったことあるようなスマホゲームのひとつである。差別化できるところは、UIを整頓し、今風にデザインを変え、タワーディフェンスにパズルやチェスのようなゲーム性を付加し、遊びしやすく変えたところだ。また、ゲーム自体の難易度も絶妙で、よく考えられた難しさだ。

似たようなスマホゲームはごまんとあるが、UIがきれいでみやすいゲームはどれほどあるだろうか?
声優や絵師のごりおしで、とりあえずガチャを回させればそれでいいと思ってないだろうか?

私はUIがごちゃごちゃしていてみづらく、かつ文字が小さいゲームが、地球上からすべからく消し去りたいほど嫌いである。
使い古されたジャンルのゲームでもちゃんとしたリファインと流行の取入れを行うことでなんども生まれ変わることができることの一例である。


例:(番外編)FGO、デレマス、アズレン、ラブライブ、プリコネ等......


これらは、いわゆるキャラが魅力のゲームである。
ゲームの面白さというより、いわゆるIPとかそのへんの話になるが、キャラを好きになってもらってそれを誰かが絵に書いたりすることでいろんな人に伝わり、コミュニティとして発展していくのが強みだ。
アニメやゲームといろんな媒体に発展していくさまは、追う人間としてはとても楽しい。


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ゲームを作る場合、どんなことを言っていたとしても結局はできることと、リソースと、コストと......といろんなものとの相談になるので、一概にこれとはいえないが、二極化のうちのどれにシフトすべきか、何を強みにするのか、は常に考える必要があるのだろう。

また、課金要素に関して。スマホゲームは結局ガチャとスキンがほとんどなので、これ以外の課金システムがあれば、ゲーム自体に変革が起きるだろうと思うのだが、もう人類はガチャを引いて満足するしかないのであろうか?

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