小さな背中に

扉を開ける小さな背中に
見えた針金は背中に刺さり
何かをぶら下げていた
足跡には
泣いてるみたいな血の雫
振り返ることを知らない私には
見えなかった
隣の窓に映ってた
背中が叫ぶ声に
硝子はひび割れたにちがいない
そうじゃなきゃ
ひびから奇跡の言葉は
生まれない
それも今は空の上
それをつけたまま
世の中に出るには
邪魔な代物
それが何かは分からず
今もこの背中に針金が
深くくい込んだまま

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