この空を見上げながら
どんなかたちにしても
生き延びてきたのだから
私は今ここにいる
それでも辛い過去は
今の私を脅かす
やっと手にいれた
安全な暮らしの中にも
恐怖や不安はよみがえる
みんなと同じようには
もう生きられないのかもしれない
安心して生きるなんて
私にはもうできないのかもしれない
高波のように辛いことは
何度も何度も何度も
私をのみこんできた
溺れてる私をまた高波はのみこんで
私は息をするのに必死だった
隣では平和な海辺を歩いてる人
安全な海で泳いでる人
その横で私だけが
危険にさらされ
救助の浮き輪も投げられることもなく
溺れたままだった
私は今平和な海辺を
歩いてるのかもしれない
だけど私の海辺には
尖った小石や
割れた硝子が
砂に埋もれて落ちてるから
痛かったり傷ついたり
血がでたりしながらじゃなきゃ
歩けない
哀しいけど辛いけど涙がでるけど
私は空を見上げる
空からは雨も雪も降るけど
ナイフは降ってこない
足の裏は血だらけでも
この空の下にいれば
この空を見上げながら
歩いていけるかもしれない
みんなと同じようになれなくても
生きていけるかもしれない
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