独りの世界

みんなが通るような
まっすぐな道じゃなかったと
あなたは嘆いて泣いて生きてきた
みんなが見るような
当たり前の景色じゃなかったと
あなたは悔やんで生きてきた
あなたは軽いいのちも
重いいのちも抱えながら
今日まで生きてきた
息をきらしてかけ上がった
螺旋階段から時々飛び降りて
怪我をしながら生きてきた
あの頃「助けて」と叫んで
誰かが助けてくれたことがある?
誰も助けてくれないなら
助けなんて初めから望まない
そうやって独りで生きてきた
人といると無意味に疲れる
独りになると虚しくなる
それがなんなのか分からない
長い間独りの世界で
守られてきた傷口が
痛みだすような苦痛を感じる
高いビルの屋上から
空を見上げて
この世に私は独りなんだと
確認したい

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