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カタチになるまでの話
自分の思い描くカタチになるまで
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わたしにとって
好きな世界を好きなようにカタチにすることができるのが、このガラスづくり
これはカタチにするのが難しいと思うカタチがあっても
制作工程で発想の転換をしたり
思考錯誤しながら
カタチを生み出すまでがなんともいえず幸せ
はじまり
わたしの作品は
石膏の型のなかに硝子を溶かし込む技法で作品ができています
制作工程
まずは粘土で原型づくり
わたしは
ほとんど粘土と戯れて過ごしています
粘土作業は本当に楽しい
この原型づくりの段階で
次の工程となる石膏型をどんな方法でつくろうか‥と考えながら進めていくのが大事です
※ガラスの学校や大学では、全技法を学ぶことができます
その中から自分にあった技法で作品づくりを進めていくことができます
学校やガラス業界では、主に吹きガラスが人気
吹きガラスが含まれるジャンルはホットワークといいます
ホットワークには
火をつかう吹きガラスやバーナーワークなどが含まれています
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わたしは多くの技法や表現を勉強したあと
キルンワークを集中して学びました
※キルン‥電気炉
キルンワークの中の「バート・ド・ヴェール」という技法にて作品を作っています
キルンワーク
電気炉(キルン)を用いてガラスを加熱し、成形・加工する技法の総称です。 ガラスがやわらかくなって変形したりくっついたりする程度の温度で行うフュージング、スランピング、型に入れてガラスを熔融させて成形するキルンキャスト(コールドキャスト)、バート・ド・ヴェールなどがあります
パート・ド・ヴェール(フランス語: Pâte de verre, 英語: Paste of Glass Technique)はガラス工芸の一種。ガラスの粉末を型の中で熔融して成型するガラス工芸の技法の1つで、フランス語で「ガラスの練り粉」を意味する。「パート」は本来焼き物用に練った土を指す言葉。
ガラスの練り粉
パウダー状のガラスに、粉状の色ガラスを混ぜて、それを石膏型に丁寧に詰めて焼成
意図する図柄や模様など、美しい作品がパート・ド・ヴェールの特徴です
パート・ド・ヴェールについて
粘土で作品の形を作り、さらに、石こうで型をとります。原料のガラスの粉を特殊なのりで練り、この石こう型に入れて焼きます。熱が加わるとガラスが熔けて型通りの形ができあがります。ゆっくり冷やしてから型からはずしてできあがります。
ガラス全体に細かい空気の泡がはいるので、半透明になり、独特の淡い色にできあがります。
パート・ド・ヴェールで用いるガラスの粒の大きさは、グラニュー糖〜粉砂糖ほどの粒子の細かいものがほとんど
粒子が細かくなればなるほど不透明感が増していき
粉砂糖ほどになると不透明のガラスとなります
わたしの作品は
ガラス一粒が砂糖のザラメくらいの粒を用いています
通常の技法より大きめの粒ガラスを使用することで
パート・ド・ヴェールの技法をつかいながら
ガラスがつくりだす透明感と気泡の粒々を楽しむことができる作品となるます
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繊細な表現のパート・ド・ヴェール作品とは異なりますが
制作工程はパート・ド・ヴェールとなります
完成した作品は
よく砂糖菓子のような表情と表現されます
ガラスの粒の大きさを例えた
ザラメ グラニュー糖 粉砂糖‥
これはどれもお菓子づくりに欠かせません
パート・ド・ヴェールの工程で
お菓子づくりとよく似た工程があり
わたしも楽しみながら作っています
工程により
ケーキ職人になってみたり
パン職人気分になったりしています
この技法は
長い工程を楽しみながらつくれる人に向くもので
つくりはじめから完成まで気長に付き合える人に向いています
あれこれ手間と時間がかかるのです
そのためか
ガラスの長い歴史の中でも2回伝承が途絶えてしまった技法なのです
「パート・ド・ヴェール」の歴史は非常に古く、紀元前16世紀頃にメソポタミアで考案された技法と言われていますが、量産可能な吹きガラスが発明されると、製作に手間がかかるパート・ド・ヴェールは急速に勢いを失くし、古代ローマ時代に断絶してしまいます。
”ガラスの練粉”を意味するフランス語の技法は、1885年に陶芸家のアンリ・クロ氏によって再興される。
英語ではPaste of Glass Techniqueと呼ばれ、精緻な美術工芸品レベルとなると大変手間と時間がかかる、微妙で繊細な技法が必要なガラス工芸品。
19世紀にアール・ヌーボーの作家たちによって再現され、希少で高価な美術品として世界中で高い評価を受けた。
魅力的な作品が数多く生まれましたが、製作方法は作家の秘法として後世に残さなかったために、やがてその大半が途絶えることとなりました。
長くなりました
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