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家族という概念

私には、家族という概念があまりない。
最近少し芽生えては来た感覚だが、以前は全く抱けなかった感覚だった。

何処か他人と住んでいる感覚。
好きなもの、好きなこと、顔が私だけ兄弟と違う。
母親とは相容れない。性格が似すぎていたのかもしれない。父親はどうしようもないクズで、どうやら私はそのクズの血が濃いらしい。

姉は私の良い意味でも悪い意味でも上位互換みたいな存在で、これまた母に似てる。兄は無関心一鉄。たまに優しいところもあるが。

ずっとずっと、家族の集まりが苦手だった。私だけ他人の様な感覚があったから。

『お前“だけ”アイツ(父親)似だからな』兄からよく言われる言葉。ギャンブル依存。タバコ、女遊び、モラハラ、散々して家庭をメチャクチャにしたアイツによく似ていると言われる。

まぁ、実際その言葉はあながち間違いではなく、父親と一緒にいるほうが気も使わないし、思考や顔も、手のサイズも、趣味も同じだと感じる。

裏切り癖が父親にはあって、何度も口先だけの約束をしては破ってきたのだが、この前またそれをしてもうこれを最後にこの人との縁を切ろうと決心できた。

離婚してからみっともなく父親にすがっていた私が馬鹿みたいだとも思った。自分の半分はこんな薄汚れた血が流れていて、もう半分も正直似たようなところもある。

そんな私が、唯一できるのは『子供を産まないこと』だった。
生き物さえ満足に愛せず殺してしまう私は、きっと赤子も同じようにしてしまうのでしょう。

本当の愛なんて、一体何なのだろう。
見てくれだけのハリボテ家族。嗚呼また、お正月になったら親戚同士で集まるのかな。嫌だな。

『血』なんて、感じたくないんだよ。

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