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全て燃えて灰になったら良いのに
大好きだった父方の祖父の死を鮮明に覚えてる。
私は死ぬ前日祖父に会っていた。あの時私が行かないでと止めていれば、など色々考えた事もあったが、原因は酒の飲み過ぎによる心臓発作。
しかも大きくなって知ったが、愛人の家で死んでたらしい。本当にどうしようもない家庭だな。
でも、燃えて灰になって出てきたおじいちゃんを見て、骨に触れた感触を、ずっと覚えてる。
綺麗で、真っさらで、硬くて、人ってこんな形をしてるんだって、呆気なく燃えてなくなっちゃうようなちっちゃな存在なんだって、小学生ながらに思った。
おっきな大災害でも起きて、街が炎に包まれて、何もなくなったら、空は少し広く見えるだろうか。息はしやすくなるだろうか。
あんなに綺麗に燃やしてもらえるのなら、炎も良いかもしれないと思ってしまう自分がいる。
燃えてなにもかも、無かったことにならないかな。