「学習性無力感の原因はただの努力不足」という嬉しい事実
学習性無力感とは,簡単に言うと「何をしても無駄だ」という思考のことだ.
少し難しい言葉で言うと,「コントロール不可能性による絶望」である.
この思考は以下の二つの要素から構成されていると考えられる.
1. 失敗や不快の原因は自らの能力にある
2. 能力というのは変えられない
これらが統合されると,
俺は低く,不変な能力を持ち続けることになるため,一生うまくいくことはない,よって生きている理由がない
という思考に至る.
鬱や自殺につながる可能性のある思考だ.
つまり「能力という,自分ではどうしようもないものによってのみ結果が決定されている」という信仰を抱くと,「じゃあ何をしても無駄じゃん」となるのだ.
しかし以下のような信仰を持っているとどうか.
1. 失敗や不快の原因は自らの努力不足にある
2. 能力というのは伸ばしていける
努力というコントロール可能なものに焦点を当てるクセが身についているかどうか.
「今不満がある環境にいるのは,自分の行動が不足しているからにすぎない」と思えるかどうか.
無論,過度にそれらの思考を繰り返すのは有害であるように思われる.
ただし,能力のみに原因を求め,コントロール不可能性による絶望を抱くよりは,よっぽどましである.
健全で楽観的な自責.
それこそが学習性無力感を抱かないために重要なことだ.