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yusukewatanabe_
【まくら✖ざぶとん】㊺『風物詩人・〈白銀都会〉』
えー、春が桜の花見なら夏は夜空の花火、秋は紅葉に月見、季節の祝祭たる花鳥風月、風光明媚ときての風流韻事、冬が雪花なら一席打たねばと思い起こしたら重い腰も軽いこと軽いこと、詠んでみせよう風物詩。
そんな前口上を謳った風変わりな御仁はどこからともなく現れた風物詩人、まくらの更新曜日や頻度は案の外、詩人たるもの案の定、和歌や俳句ではなく自由律の散文体で四季の風雅を言祝ぐ詩を紡ぐ。
〈白銀都会〉
白粉でメイクアップの雪化粧
街灯のライトアップで雪幻想
韻を踏んで踏んだは積もり積もった純白絨毯
ざくりざくりと冬地面
あっちこっちに冬地蔵
歩道で立ち小便すりゃかき氷のレモン味
車道で立ち往生すりゃ手押し車の見本市
宵の曇天にちらつくは雪の花
酔の脳天にちらつくは雪の過去
旅客鉄道は運行止めて高速道路は通行止め
帰宅難民は亡命ならず芳名書きこむ宿さがし
銀世界の彼方も彼方、きらめくは下町の金字塔
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