【まくら✖ざぶとん】㉑『野次馬鹿道中』野次馬鹿➊
さあ節目の一席を経ての新たな門出となれば、門外不出どころか門戸開放されて数多の二次創作作品に登場する人物に暴れてもらってまくらに新風を吹かせてもらうべし、あっちゃこっちゃの話題どころにえっちらおっちらたどりついた先で、誰ぞ、何者だ、おととい来やがれと門前払いを喰らったこと前人未到の数を誇る二人組といえば野次郎兵衛と喜多馬鹿八、読んで字の如く野次馬鹿たれば野次馬根性むき出しの丸出しで、近所の火事に遠くの雷、勢い余ってあの世にいる親父のご機嫌まで窺いにいきかねない始末。
耳寄りな噂を聞きつければ出発に一縷の迷いなし、惚れて向かえば千里も一里、海にクジラが座礁すれば一路、湖で◯ッシーが目撃されたら二路、沼地にツチノコが覗けば三路、河川にアザラシが現れりゃ四路、旅路の道中じゃ目を瞠る美女以外にゃ脇目もふらず、東海道に限ることなく中山道に甲州街道、日光街道から日本全国津々浦々の裏の裏は表参道まで、首や顔だけでなく脚どころか身体ごと突っ込むべく、武田信玄が【風林火山】の旗を掲げたってんならこの二人は【物見遊山】の幟(のぼり)はためかせ、事件有るところにこの二人在り、飛脚も真っ青の健脚で颯爽と現場まで駆けつける。
野次馬鹿たるもの馬に鹿なら、やはりどちらも栗毛に栗毛、現代によみがえる東海道中膝栗毛とあらば次回から読者のご期待を乞うのは滑稽珍道中、事件を追いながら各地を訪ね歩くうちにいつか全人未踏の地を踏むのはこの二人やもしれぬ、と予告編よろしく煽りに煽ったところで物は試しの小手調べ、初回は物珍しい狂歌で〆させていただくってこって。
見やらずば 落ち(オチ)つかぬなら 旅紀文 物見遊山に のぼりふためき
えー、「一字千金」という故事ことわざもありますが、【まくら✖ざぶとん】を〈①⓪⓪⓪文字前後の最も面白い読み物〉にするべく取り敢えず①⓪⓪⓪作を目指して積み上げていく所存、これぞ「千字千金」!以後、お見知りおきを!!