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1ボール2ストライクの原則

コーチという仕事は
人を評価するということでもある。

何か事象が起きた時や、
過程や結果において、
何かしらの評価をしなければならない。

そこで私が意識していることをまとめたいと思う。


いま何を求めているのか明確にする


その日のトレーニングにおいて、
フォーカスしたいことをトレーニングの前に伝えておく、
もしくはトレーニング中に何度も意識させる、
ということをしている。

あれもこれもそれも、
というような幕の内弁当やおせち料理ではなく、
生姜焼き定食!
チーズ入りの牛丼に豚汁付け合わせ!
ひつまぶし定食!
程度の内容にしている。

あくまでメインになるものを決めておいて、
それをおいしく食べるための
付け合わせやバランスを考える、
という感じだ。

同じことをしたいときでも、
ちょっとアレンジをして、
牛丼にチーズを入れてみたり、
メインになりうるうなぎをいろんな食べ方にしてみたり。

大事なことは、
付け合わせは付け合わせであって、
ある程度でもいい、ということだ。

残念ながら、コース料理のように、
すべてを完璧にしてそれだけで完結させるようなトレーニングは
持ち合わせていないので、
まだまだ定食レベルだ。

もちろん、ぱっぱらぱーなことをしていたら指摘をするが、
今日のメインは何かを強く意識させる。

例えば、オフザボールの動き(ボールを持っていない状態での動き)を
メインに考えているのに、
シュートのことやDFのことをだらだらと話していると、
あれもこれも意識しないといけなくて、
何を一番がんばればいいのかわからなくなる。

オフザボールの動きが秀逸で、
やろうとしていることができたのに、
その後のシュートを外してしまったとか、
最後にパスミスをしてしまったりすると、
言いたがりの指導者は、
最終的にミスをしてしまった現象に対して、
評価をしてしまう。

今日やろうとしていることができているのかどうか。
いまフォーカスしているのはこれなんだ、
ということを明確にしていきたい。
逆にやろうとしていることができていないのに、
結果が出てしまった(シュートが入っている)時なども、
それはそれで正解かもしれないけど、
より良くするにはどうしたらいいのか?
を伝えるようにしている。


イメージの共有

それを繰り返していると、
チーム全体でやろうとしていることがだんだん浸透してくる。

成功とか正解は一つではないけど、
ある程度の目指している形をイメージできるようになってくる。

そのイメージの共有ができるかどうかが大事だ。

コーチングの手法の一つに
「ゲームフリーズ」というものがある。

それは現象が起きた瞬間に止めて、
状況を確認して解決策を共有するというもの。

すべてのプレイが終わった後とかに、
あの瞬間はこうしろああしろ、と言っても、
選手はなかなか思い出すことができない。

その瞬間に止めるということが大事だ。

ということまで分かっていて実践している人はいるが、
おそらく、できていない現象を説明するために止める、
という人がほとんどだと思う。

それを、できているときに止める。
できた瞬間に選手に
「なんでそうしたのか」
「なんでそう判断したのか」

を問うとよい。

質問に対して明確な答えを出せる選手は素晴らしいし、
質問を自分の頭で考えて答えを出せるようなら、
周りの選手も成長する。

できているものを共有するというのも、
非常に大事なことだ。


1ボール2ストライクの原則

私自身も毎回というわけではないが、
何かひとつ指摘するときは、
2ついい部分を見つけ出してから指摘するようにしている。

ひとつミスをしたからと言って、
すべてができていないわけではなく、
何かできている過程があるからこそ、
できてない部分が見えてくる。

シュートを外したとしても、
パスを受けることやDFをかわすことはできている。

そのできている部分にもしっかりとフォーカスして、
最後により良くなるためにどうしたらいいのか、
の改善点を伝えるようにしている。

Aができている。
Bもよくなった。
Cをよくするためには、こうしたらどうだろう?
または、
いまのCをより良くするためにどうしたらいいと思う?

と問いかけてみると、
選手はすべてを否定ではなく、
肯定的にとらえることができるのではないかと思う。

できていないという粗さがしをするのも仕事のうちだが、
できていることを伸ばすというのも大事な仕事になる。

お互いに気持ちよく、
モチベーション高く取り組んでいけるように、
ダメ出しばかりではなく、
いいとこ調べもしていきたい。


まとめ

選手も人間なので、否定ばかりされたらしんどくなる。

指導者も人間なので、否定ばっかりしていると粗さがししかしなくなる。

ダメなことを指摘することも必要だが、
できていることを認識させることも必要だ。

何か言いたくなった時にふと立ち止まって、
いいところを2つ以上探してから指摘してみるのもよいのではと思う。



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Atsushi  Mekaru
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