コーチとパイロットの共通点3つ
先日、インスタグラムの質問で
「指導者と子どもらの意見が合わないときはどうしたらいいでしょうか」というものがあった。
これまでの経験、そしてコーチという立場で考えていること返答したのだが、その中でコーチはパイロットみたいなものだと感じたので、まとめてみたい。
上記はAIが「コーチとパイロットの共通点」というお題で作成したもの。
素晴らしいw
さてここからが本題
1,キタイがないと仕事ができない。
パイロットは機体がないと仕事ができない。
コーチは期待がないと熱が伝わらない。
パイロットは機体がないと仕事ができない。
飛んでくれる機体と、一緒に働いてくれるスタッフやお客様もいないと仕事にならない。どれだけ操縦技術をもっていたとしても機体に乗らないことにはパイロットという仕事ができない。
コーチも選手に対しての期待がなければ、そのコーチング自体はきっと熱を帯びない。どうでもいい選手に対して熱量を持つことはないだろう。選手への期待、チームへの期待はもちろんだが、自分自身に向けられている期待が力になることもあるのかもしれない。
より良くしたい。という期待は大事だ。
2,ある程度目的が同じ集団を導く
パイロットは行き先が決まっている機体に乗った人を安全に輸送する。
コーチは集団が行きたいと目指す方向へ最適なルートで導く。
パイロットの場合、行き先が決まっている機体を運転する。
乗客は行き先が決まっている飛行機を選んで予約し、自分でお金を払って時間を合わせて乗ることになる。
もちろん、行きたくない場所に飛ぶわけではない。自分の行きたい場所、目的とする場所に向けて自分で機体に乗り込む。
パイロットは同じ行先の集団を運ぶことになる。
コーチの場合、チームや選手が目的地を決めることが多い。コーチという職業は馬車の運転をする人という意味合いもあり、行き先は乗り込んだ人が決めることができる。プロスポーツの場合、クラブがリーグ優勝という目的地を掲げた場合はそれに沿った、それに見合った道を進まなければならない。学校部活動の場合も全国大会出場から、とにかく1勝するなど目標とするものは様々だ。
コーチは集団が望む目的地にどうやって行くのかを考え、導いていくことになる。
3,最終目的地には自分で行くしかない
パイロットは空港から空港までしか運べない
コーチはコートの中ではプレーヤーに任せるしかない
パイロットは着陸する空港までは輸送できるけど、空港から先は自分たちで移動するしかない。乗客によって行きたいところはバラバラ。行き方もバラバラ。ある程度の近いところまでしか運べない。
コーチはある程度のところまでは選手を引き伸ばし、チームを引っ張ったとしても、最後にプレイをするのは選手だ。戦術を整えることはできても、それを遂行するのは選手だ。最後は選手自身でやりたいプレイを選択して実行していくしかない。
まとめ
パイロットとコーチの共通点をあげてみた。
言えることは、なにをどうやってもある程度のことまでしかできない。ということだ。
最終的に行きたいところ、なりたい自分というのは、指導する側の強制力が働くのではなく、最後は自分で選んで歩んでいってもらうしかない。それこそ、飛行機を降りた後が大事。ちゃんと目的地を認識して、適切に力強く歩めるのかどうか。コーチの下を離れた時に、しっかりと自分で決断し、前に進む力があるのかどうか。
コーチなんてその程度の影響力しかない。
結局は手元を離れてからが大事で、あとは自分の力で、自分で決断して、自分で歩んでいってもらうしかない。
家を出てから最終目的地までずっと一緒というのは、護送される容疑者くらいだ。いつかは自分の下を離れる。そして、離れた後に輝きを増す。そんな選手、というか人間を育成するのがコーチという仕事なんだと思う。
コーチという仕事は教育的側面も併せ持つが、あまりにも与えすぎて、あまりにも導き過ぎて、あまりにも正解を提示して、あまりにもカリスマ性があって、あまりにも崇拝される存在であってはいけないんだと感じる。
かと言って、やるべきことをせずに、最後はお前らに任せた。というのは間違っている。パイロットのように安心と安全を担保に、適切な判断をもってある程度のところまでは連れていく必要がある。
その目的地を決めるのも、その機体に乗るかどうか決めるのも乗客(選手)だ。