黄金言葉からコーチングを考えるVol.1
沖縄には黄金言葉(くがにくとぅば)と呼ばれるものがある。
先人からの教えというか、沖縄版ことわざというべきか、
語り継がれている言葉だ。
命どぅ宝(ぬちどぅたから)は有名かもしれない。
標準語で言うところの金言とか名言みたいなものに当たるのかも。
この黄金言葉というのは、実生活はもとより、
やはり競技生活においても活かされている。
いや、それらを競技生活につなげるということが大事なのだと思う。
先日、沖縄のラジオを聴いていて、
この黄金言葉を紹介していたので、私としても備忘録として残しておきたいし、競技生活につなげるという部分でもここにまとめておきたいと思ったのでnoteにすることにした。
やーなれーふかなれー
これは
家での行いや習慣が、外に出た時も無意識のうちにでてしまう。
というニュアンスだ。
人は習慣の生き物。
立ち居振る舞いにみられるように、
しゃべり方も食べ方も歩き方も表情も、
考え方も見えているものも、
習慣によって方向づけられている。
これはスポーツについて考えていくと。
普段のトレーニングでやっていることが、
試合の時に表現されるということになる。
試合の時はちゃんとやる。
試合の時は大丈夫。
と思っていても、
いざとなった時、切羽詰まった時は、
やはり普段の習慣が出るものだ。
家ではだらしないけど、外ではちゃんとやる。
トレーニングではこれくらいだけど試合ではちゃんとやる。
この外では、試合では、という時点で意識されていることになる。
習慣というのは、無意識の下で表現されると思う。
だからこそ、
無意識的に、何も考えなくてもそれができる。
という状況になって初めて、その人の本当の力というか、
自力というか、その人らしさとなるのだと思う。
よいトレーニングとは何か?
よく聞かれることなのだが、
私の中でよいトレーニングの定義をするとしたら、
「よい習慣を育む」があげられる。
この習慣の中には、
プレイがオートマチックにできるようになる、
行動習慣はもちろん、
ゲームリーディングやプレイ観も含めた
思考習慣も含まれる。
普段の習慣が、
無意識のうちに、本当に大事な時に、切羽詰まった時に、
極限状態の時に、表現されることを考えると、
通常のトレーニングにおいて、
良い習慣とは何かというものを
しっかりと定義して伝えていかなければならない。
試合に生活があって、生活に試合がある。
試合においては習慣化されたものが発揮されると考えると、
普段の生活やトレーニングが試合ということになる。
何気ない生活や普段のトレーニングが試合だ。
AとB、どちらを選びますか?
という問いに対して、
その場その時の感情やラクな方を選んでいると、
その時点で試合には負けている。
生活の中で自律と自立をしていかないと、
試合の中でも誰かを頼ってしまうし、
自分をコントロールできずに無駄な反則や
スポーツマンシップに反する行為をしてしまうかもしれない。
そうなると、試合に勝つことは難しくなってしまうのは容易にわかる。
コートの中でやってくれたらいい。
という考え方を否定するつもりはないが、
コートの外でぱっぱらぱーな行動をしている選手を見ると、
もっと考えて自律した生活をしたら、
もっともっと素晴らしいプレイヤーになるのにな、
と思うことも多々ある。
まぁ、能力がない自分からしたらひがみになるのかもしれないけれども。
逆にぱっぱらぱーな生活をしていて、
パフォーマンスも上がらないという選手を見ていると、
当たり前でしょ。不思議はない。
と思ってしまう。
プライベートはプライベート。
コートの中はコートの中。
という外国人的な考えにも触れてきたが、
やっぱり私は日本人なんだと思う。
なんなら、そこにすがりたいし、
そこを失ったら自分は戦えないとさえ考えていた。
まとめ
「やーなれーふかなれー」という沖縄の言葉をもとにして考えてみた。
やはり、無意識下の習慣が大事。
だからこそ、良い習慣をもっている人は、
外に出ても変に着飾らずに自然体で好感が持てる。
その習慣を育むのは、やはり家庭。
素敵な人と接すると、
「こんな素敵な人に育てた親の顔が見てみたい。」
とさえ思う。
背伸びして生きていると、いつかは疲れて足もつってしまう。
背すじを伸ばして自然体で生きていきたい。
背伸びせずにできることを精一杯表現できるハンドボールコートであれば、
それはそれで素晴らしいプレイだし、好感が持たれるし、応援もされていくんだろうな、と思った。
どんな自分になりたいのかは自分で決める。
習慣化されるまでは多少の強制力だったり、
変化に対して面倒だしストレスもあるのかもしれない。
それを乗り越えた先に、
より良い自分がイメージできるのであれば、
つらいことはしなくてもいいけど、
面倒なことはやっておいた方がいいのかもしれない。