指導者から言われた忘れられない言葉#1
【教えるー教えられる】という関係性がある場合、
【教師ー生徒】、【上司ー部下】、【指導者-選手】という関係性ができるのが一般的だ。
誰しもが教えてもらう、ということを経験すると思うが、
誰しもが教えてもらうという過程で忘れられない言葉や出来事があるはずだ。
スポーツを始めたときから指導者がいた
私は小学4年生から少年野球を始めた。
同じマンションに住んでいる友人が野球をしていて、
誘われたのがきっかけだ。
とりあえずボールをわしづかみにして、
力いっぱいボールを投げていた。
コーチの人に
「どうやってボールを握っているか」
と聞かれたら、
「普通にこう」
と言って、手のひら一杯に5本指でわしづかみにしていた。
バットを握ったときも、
右手が上か下かもわからないし、
手と手の間も開けていたと思う。
てこの原理も、ベースランニングの走り方も、
どこの足でベースを踏めばいいかも、
フライの取り方も、リードの仕方も、
ダウンスイングもアッパースイングも、
本当に丁寧に教えてもらった覚えがある。
初めての試合は9番ライト。
少年野球では初級者の定位置だったりする。
意味も分からず試合をしていた。
初めての打席は体の大きさにビビってか、
4級連続のボールで出塁。
その後、2盗、3盗して、ワイルドピッチで初得点する。
チームもそれなりに強くて、
結構楽しんでいた。
多くの少年団で見られること
ただ、当時の監督は少年野球やスポーツクラブでよくありがちな、
保護者が監督をするスタイルだった。
自分の息子が卒業しても、
後任がいないからなのか、継続して監督をしていた。
仕事を終えて、放課後の練習に参加するというのは、
今考えると本当に骨の折れることだったと思う。
監督自身は野球未経験者だったし、
土日もほぼ一日中練習試合だったし、
本当は中学生になった自分の息子の応援にも行きたかったことだろう。
ただ、当時の小学生からしたら、
そんな思いへの想像力があるはずもなく、
ただただ、監督と選手として接していた。
お前みたいなやつをなんて言うか知ってるか?
私は一応、主力として活動していたが、
あまり監督とは折が合わなかった。
バッティング練習をしてるときに、
「何本ヒットを打ったらアイス代をあげる」
という外発的動機づけの典型みたいなものがあり、
(今となってはコンプライアンス的にどうだと言われそう)
少年たちは絶対アイスが食べたいので気合いを入れる。
ただ、他の選手がヒット数をクリアしたら100円あげるのに
(その当時は100円でアイスが買えた)
私がクリアした時はなぜか50円だったりした。
そういうところで、「差」を感じることも多々あった。
毎日抜群に調子がいいわけでもないので、
打てないときもあるし、ミスをするときもある。
そんな時に言われたのが、
「お前みたいなやつを〈ウドの大木〉というんだよ」
とニコニコしながら言われた。
悪気があったわけではないのだろうが、
意味を調べたらいい気分にはならない。
多少なりともショックを受け、
それが20年以上経ったいまでも鮮明に記憶に残っている。
たった一言が一生を左右することがある
悪気がなかったとしても、
そのたった一言が大きな影響を及ぼすことがある。
指導者の発言や行動というのは、
本当に大きな影響を及ぼす。
それはいい影響を及ぼすこともあれば、
そうじゃない場合もあるということを忘れてはいけない。
だからこそ、指導者は自分の言動に責任を持たなければならない。
選手や生徒にはもっともらしいことを言っていたとしても、
自分の行動が伴っていないと、
おそらく信頼関係は育まれない。
私自身も、たった一言で大きな間違いをしたことがある。
何度もある。
そのたびに反省をするが、
発した言葉が消えるわけではない。
だからこそ、指導者はいい言葉をチョイスして、
適切なタイミングで発していかなければならない。
まとめ
選手に一番影響を与えるのは、
近くにいる指導者と保護者、大人たちである。
あの時のあなたのヒトコトでがんばれた。
あなたのヒトコトで救われた。
そんな言葉を残してあげたい。