「できること」と「機能」を間違えてはいけない
商品やサービスの魅力を伝えるとき、うっかりやってしまいがちなのが、「できること」と「機能」の混同です。
この二つは似ているようですが、実は全く異なります。「できること」と「機能」を間違えると、商品やサービスの魅力が伝わらなかったり、誤解されてしまったりすることがあります。
この間違いは、商品やサービスを深く理解し、愛着を持っている人ほど陥りがちです。自戒を込めて、「できること」と「機能」の違いについて書いていきます。
「できること」と「機能」を間違えている例
たとえば、Twitterを知らない人に、Twitterをオススメするとします。「Twitterでできることは何か」を答えるとき、以下のように答えてしまうことがあります。
Twitterでは、140文字以内の文章が投稿できます。他人の投稿に返信する形で文章を書くこともできます。
間違ったことは言っていないのですが、分かりづらいです。「だから何?」と言いたくなるのは、これが「できること」ではなく「機能」を説明している答えだからです。
これに対して、Twitterで「できること」を説明すると以下のようになります。
Twitterでは、あなたの考えを多くの人に伝えることができます。他人と意見を交換し合うこともできます。
こちらは、表面的な「機能」ではなく、その先にある「できること」を答えようとしています。
「できること」は「機能」の先にあります。機能を用いて達成する目的が、「できること」なのです。140文字の文章を投稿することは、手段であって目的ではありません。Twitterを使う人の本当の目的は、自分の考えを他人と共有することです。
「できること」とは何か
「できること」と「機能」を間違えてしまうのは、主語を混同しているからです。
「できること」の主語は「私(顧客・クライアント)」です。です。「商品やサービス」ではありません。
言い換えると、「Twitterでできることはなんですか?」という質問は、
「(私が)Twitter(という手段を用いて)できることはなんですか?」
と聞いているに等しいんですね。
「できること」とは、商品やサービスを使って実現できる価値や、解決する課題です。
「機能」とはなにか
対して、「機能」の主語は「商品やサービス」です。
「機能」とは、「私(顧客・クライアント)」の課題を解決できる手段に当たります。
先ほどのTwitterの例で言うと、「私の考えを多くの人に伝えたいが、聞いてもらえない」という課題を解決できる手段として
・140文字なので、簡潔で読んでもらいやすい
・たくさんの人が利用するプラットフォームに投稿できる
・他人の意見と交流することで、考えを深められる
といった、Twitterの「機能」があるのです。
短い文章ほど「できること」が大切
「できること」と「機能」を混同したとしても、ある程度長い文章や資料なら、後の部分を読むことで理解できるかもしれません。
あるいは商談などの会話であれば
顧客「Twitterでは何ができますか?」
営業「140文字の文章を投稿できます」
顧客「すると何ができますか?」
営業「あなたの考えを、多くの人に分かりやすく伝えられます」
このように、対話によって方向を修正し、伝えられるかもしれません。ただこの場合、聞き手(顧客)に「機能→できること」に変換しようとする負荷がかかってしまっていますので、良い説明とは言えません。
また、文章ではこうはいきません。メールやチャットだと、理解されないまま放っておかれる恐れもあります。
そしてより短い文章、例えばSNSで発信するときには、いっそう理解は進みません。たまたまタイムラインに流れてきたツイートの意味が分からなかったとしても、わざわざ機能→できることに変換してくれる人はいないでしょう。「だから何なんだ」と思われて、それでおしまいです。
例として、Twitterの発信を想定して、弊社のサービス「OWNLY」をツイート紹介してみます。
A. 「機能」だけ紹介しているツイート
フォロー&リツイートキャンペーンの開催
OWNLYならできること!
・参加者情報を自動でリスト化
・当選通知を一斉送信
・キャンペーン特設ページを簡単作成
B. 「できること」を紹介しているツイート
フォロー&リツイートキャンペーンの開催
OWNLYならできること!
・参加者を自動でリスト化するので見落としなし
・DM一斉送信で当選通知の手間を削減
・簡単作成できる特設ページで、応募要件がはっきり伝わる
課題を感じている人が、課題の解決方法までイメージできているとは限りません。
「参加者を手動でリストにするのが面倒だし、作成時の人為的ミスも多い」と感じている人は、「ミスをしない丁寧な人に、代わりにリストを作ってもらいたい」と考えている可能性もあるのです。そんな人に「参加者を自動でリスト化」と言っても、イマイチぴんとこないでしょう。
Twitterでは140文字と短いからこそ、「機能」ではなく「できること」を明確に書く必要があります。他のSNSでも同様に、機能紹介ではなく何ができるのかを示すことが大切です。
まとめ
「できること」
主語は「私(顧客やクライアント)」。得られる価値や、達成できる課題解決など。
「機能」
主語は「商品」。価値を得たり、課題を解決するための手段。
「できること」と「機能」は似ているように思えて、実際はまったく異なります。機能に魅力を感じるためには、それによってどんなことができるのか?を知る必要があります。だから、「機能」だけでは伝わらないのです。
特にSNS投稿のような短い文章ほど、「できること」を端的に書かなければ、魅力を伝えることは出来ません。
商品やサービスの魅力を紹介したいときには、「それは出来ることなのか?ただの機能ではないのか?」を常に自分に問いかけることが、お客さま目線で魅力を伝える第一歩になるでしょう。
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